インコーススタートの黄重坤は、2アンダーで折り返すと1番パー4ホールの2打目をピン横50センチにピタリと止めた。2番パー4ホールで4メートル、3番パー4ホールでは6メートルのバーディーパットをカップに放り込んで3連続バーディーとした。
「昨日は練習場でボールを打っただけで、チェックのために帯同キャディーはコースを歩きましたが、僕はしませんでした。ですから、今日はぶっつけ本番でのラウンドです。イメージ通りのショットが打ててフェアウエイから2打目を打てたのが良かったです」。黒縁丸メガネの奥で目を細める。638ヤードの5番パー5ホールではパーオンし、7メートルのバーディーパットがカップインしてくれた。「グリーンの読みは良かったし、パットのフィーリングも悪くありませんでしたが、今日はパットが入ってくれたという表現がピッタリかな」と黄はさらに目を細めた。
大会舞台に似たコースが母国・韓国にもあるという。「きついアップダウンのイメージが似たような感じなのでそれほど戸惑うことはなかったけれど、こんなにラフが深いセッティングでプレーしたことはありません。ティーショットがフェアウエイを捕らえてくれたし、グリーンを外したのは3回でしたが、パーで切り抜けられたのも大きいです」。
6バーディー・ノーボギー65の好スコアで首位タイに立った。「日曜日36ホールのラウンドになったらどうしよう。コースの起伏に体力が持つかどうか。だって僕は体重が重いので若さは関係ありませんから」。27歳の黄はそう言いながら体を摩り、早くも体力戦での決勝ラウンドに思いを馳せていた。