日本ゴルフツアー選手権で涙のツアー初優勝を飾り、次戦のダンロップ・スリクソン福島オープンをも制した木下稜介が3試合連続Vの偉業に挑む。1勝目は2位と4打差を守り続けての逃げ切りで、2勝目は首位と5打差を縮め切り、プレーオフの末に下しての逆転で頂点に立った。初Vからの3試合連続優勝はツアー史上初の記録となる。逃げても追いかけても強い男が、日本タイトル2勝を成し遂げるかに注目が集まって当然だろう。
大会舞台は開催週の月曜日と火曜日にハーフ、水曜日はプロアマ戦で1ラウンドし、コースチェックは出来たようだ。
「コースデザインはフェードヒッター向けだと感じたので、フェードをうまく打てるかが大事だと思います。以前はうまくなかったですが、ここ2年くらいでフェードも打てるようになって来ました。パー5がチャンスなので、そこでいかに(バーディーを)獲れるかがカギになるでしょうね。パッティングも良い感じなのでもちろん3試合連続は狙って行きたいと思いますし、メジャー大会でもあるので気合は入ります」。木下はパット精度が高まったことでスコアはもちろん、プレーリズムも良くなり、その好循環が好成績につながっている。グリーンに上がることが楽しい男が、日光CCで勝利の雄叫びを木霊させられるか。
前回覇者の石川遼と、目下賞金ランキング1位の星野英正は全米オープン参戦を終えた足で大会に臨む。「日本プロを2連覇した選手が少ないのは、毎回コースが違うことも要因だと思いますが、連覇のチャンスがあるのは自分だけなので頑張りたい」と抱負を語り、星野は「世界ランキング順位を上げ、賞金王タイトルも奪取したい思いから一時帰国しました」という。石川と星野は東京五輪の強化指定選手としてスポーツ庁に特例措置が認められての大会出場であり、期間中は外部と接触させない徹底したバブル方式が施され、プレーに臨む。
「出場に尽力して頂いた方々にとても感謝しています」と二人は口を揃える。感謝の気持ちを優勝に変えられるのか。石川、星野のプレーも目が離せない。