地元・栃木県で開催される日本プロゴルフ選手権に何としてでも出場したい! その一心で臨んだ昨年のPGAティーチングプロ選手権 ゴルフパートナーカップ2020。小川厚は最終日に66のベストスコアをマークし、首位と3打差を逆転して優勝を飾っている。
「優勝してプロゴルフ選手権出場!と思っていましたが、その思いを叶えられて本当に嬉しかったです。でもすぐに、ティーチングプロの代表として予選だけは通過したい気持ちが強くなりました」と小川。大会開催舞台の日光CCまでは車で40分ほどと交通至便が良く、知人や友人の多さもあって綿密な練習ラウンドを10回以上も積み重ねることができた。ティーチングという仕事を両立させながら自身の練習に打ち込んで来た自負がある。
「さすがに選手権開催週に向けてコースは完璧に仕上げられ、グリーンの速さは一段と速い。さすがメジャー大会と思わせるコンディションです。高速グリーンは得意な方なので有難いです」。自分の活躍がティーチングプロたちへの励みになるはずだ。そう信じて一打一打を紡いで行く。「パーを重ねてチャンスを確実にモノにしたい。まずは丁寧にプレーしていくだけですね。友人や知人、生徒たちも応援に駆けつけてくれると言っていました。自分のプレーぶりをメジャー大会の舞台で披露できる。そのために、これまで頑張って来たんですよね」。
ティーチングプロの頂点に立ってから半年が経った。その集大成の大会4日間が始まる。「ゴルフ界も地元も自分のプレーで盛り上げたい」。 小川の顔にはそう書いてあるように見えた。
今週は、研修生時代からの古き良き仲間でありPGAティーチングプロである黒沼光明プロが専属キャディとして日光を一緒に戦うことになる。黒沼プロはすし石垣プロの帯同キャディとしてレギュラーツアーも数多く経験しているので、初めての日本プロ出場に緊張を隠せない小川プロにとって、心強いパートナーとなる。「黒沼さんが、ゴルフのメンタル面、技術面を強くしてくれて、こうして今があるんです。感謝しているんですよ(笑)」と小川は照れ笑い。黒沼プロの後方サポートは、日本プロを乗り切る力になるはずだ。