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【指定練習日・大会前日】新人戦覇者・ジョーがツアーデビュー戦に挑む

2021年06月30日
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 2019年の第21回日本プロゴルフ新人選手権大会 房総カントリーカップを制したことで獲得した日本プロゴルフ選手権の出場権。青木尉、二十歳は自らツアーデビューの切符を手にしたのだった。「あの試合はプレーオフで6ホールもプレーして勝てたのですが、実はプレーオフは苦手というか、(勝ち)運がなくて……。それまで3戦して1勝2敗でした。でも何とか勝てて本当に良かったと思います」。勝率を5割に上げた1勝で日本タイトル戦に挑む。

 昨年はコロナ禍によって開催延期された一戦だが、「実はゴルフの調子を落としていただけに出場準備期間が延びてくれたと考え、それなりに整えられたように思います。でも、ツアーデビュー戦だけにプレーオフ以上に緊張するんでしょうね、きっと」と青木は本音を漏らした。

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 今年はAbemaTVツアーを主戦場に戦っているが、思うような成績を挙げられずにいる。「2日目を終えてベストテンに居ながら、最終日にスコアを伸ばせない。予選通過を果たしただけの結果しか残せていません。気合いの入り過ぎでしょうね」。ツアー壁を突き破らなければならない。もっと成長しなければならない。巡り合いが光明をもたらしてくれた。知人の紹介で小田孔明をリーダーとする「チーム孔明」のメンバーに加えてもらったのだ。おおよそ15人のツアープロが合宿やラウンド、練習を共に行い、研鑽を積む。小田を始め秋吉翔太、出水田大二郎らシード選手もいて、そのショット力やゲームマネジメントを間近で見られる。肌で感じることで今の自分に何が足りないのかという課題が得られる。「勉強になることばかりです。課題だけでなく、刺激をたくさん頂いています」と青木は目を細める。

 AbemaTVツアーでチーム孔明メンバーの久常涼がジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山で優勝し、その翌試合の大山どりカップでは同メンバーの成富晃広が勝利を挙げた。この勢いに乗って「自分も」の思いが強まる。

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 デビュー戦に向けて準備は整えられたという、もう一つの理由はPGAプロテスト合格同期の泉川メイソンが帯同キャディーを務めてくれることが挙げられる。「最終プロテストの時に知り合い、すぐに気が合いました。とにかく明るいから、気持ちがへこみそうになってもすぐに立ち直れます」。メイソン、ジョーと呼び合う。

 ちなみに青木の「尉(ジョー)」と言う名は、父親が大好きだったスポーツ漫画「あしたのジョー」が由来だという。「まだ読んだことはないんですけどね。この名を一人でも多くの方に知って頂くためにもデビュー戦で成績を残したい。予選通過はもちろん果たしたいんです。決勝ラウンドに進んだら、両親が鹿児島から応援に来てくれる約束をしているので」。明日の大会初日、青木は午前7時25分、アウトコース1番ホールスタートの3組目でティーオフする。ジョーのツアープロ人生のゴングが鳴る。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)