「縁を感じます、繋がっているんだなぁと思います」。古川雄大は、練習日でのハーフラウンドを終えて、感慨深げにそう話した。
古川は昨2020年12月に行われた
第22回日本プロゴルフ新人選手権大会 富士可児カップ
で、
8ホールにも及んだプレーオフ
を制してプロ初優勝を遂げ、日本プロゴルフ選手権の出場権も手にした。
今年は初シード入りを目指し、レギュラーツアーに挑んでいる。6月の日本ゴルフツアー選手権で自己最高成績となる2位に入り、シード権獲得圏内に食い込むとともに、その名を全国区にした。「ギャラリーがいる方が、好スコアを出せるんです」。今大会も人数制限はあるものの、有観客試合として行われるだけに、古川にとってはシード権を確定させるには、またとないチャンスかも知れない。
「ツアー選手権で2位になりましたが、その成績によって日本プロに出場できたのではなく、新人戦で勝ったことで、こうしてこの舞台に立てるんですよね。あの8ホールのプレーオフは、マイナスなことを一切考えずにプレーし続けられました。勝負を純粋に楽しんだし、気持ちのバランスを保てたのが良かったと今でも思います」。プロ初優勝によって日本プロ出場をすでに決めていた。そのことに対して、古川は何かの「縁を感じる」のだという。
ツアー序盤戦は思うような成績を挙げられずにいた。「通用するだろうかとスタートティーに立って心配や不安が募ってばかりいました」。しかし試合数、ラウンドを重ねるごとに気持ちのバランスを保てるようになって行った。8ホールのプレーオフの時のように--。「ツアーに慣れて来た、場慣れして不安と心配が薄まって来たのだと思います」と言って古川は爽やかな笑みを浮かべた。「練習ラウンドしてみて、ティーショットでいかにフェアウエイキープするかがスコアメイクのカギだと感じました。プロ初Vで得た日本プロ出場権ですし、(ツアー選手権2位での初シード権獲得)チャンスを繋げて行きたいです。チャンスを、できればツアー初優勝に繋げられたら最高でしょうね」。
勢いに乗っている古川が、シンデレラボーイになるチャンスを作り出せるかに要注目だ。
(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)