7月1日から4日間、日光カンツリー倶楽部で「第88回日本プロゴルフ選手権大会」が2年振りに開催する。新型コロナ感染症拡大の影響を受け、昨年日本プロは1年延期することを決定。それ以降は、ひとつずつ準備や調整が進み、待ちに待ったプロ日本一を決める大会がスタートする。
今年の有資格カテゴリーでは、予選会・決勝大会上位者の統一ランキングは47位まで繰り下がったが、それ以降となる48位から119位までの選手には、改めて出場者予選会(マンデートーナメント)の場が設けられ、エントリーした選手60名のうち35名に本戦への出場権が与えられた。
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この日大利根カントリークラブ所属、岡部大将が堂々のトップ通過を果たした。7バーディー、ボギーフリーと完璧な内容だった。プロテスト合格から7年が経ち、今年は30歳を迎えようとしている。平均して290ヤードを越えるドライバーショットは、マンデーのコースハザードを悠々と越えていった。それ以上に、岡部はアイアンショットが得意だと言う。クラブセッティングにはマッスルバックのアイアンが、3番からキレイに一揃いに並んでいる。「飛距離だけじゃなくて、精度の高いショットを繰り出したいという気持ちが昔から強いんですね。先日、同じ東北福祉大出身の田村プロと練習ラウンドで回ったときに、色々な気付きがあって。プロ仲間とのラウンドは、ゴルフを見直す、そして磨けるきっかけになります」と、常に向上心を忘れない。
日本プロ出場は2回目となるが、ここ日光カンツリーは所属コースと似ているところがあるので面白いという。「ティーショットは狭いフェアウェイを捉えることが鉄則。外しても外せるポイントからのリスクマネジメントを常に考える必要があります。大利根も攻略は同じ。だから自分の今まで積み重ねてきたゴルフを信じてやるだけですし、応援してくれている家族や所属コースの期待に応えたいです」と、口元を引き締めた。
同じく8バーディ1ボギーの64ストローク、7アンダーでトップタイ通過を果たしたのが、井上信。ツアー2勝の実力者が日本プロ出場権を獲得した。日本プロ出場は、2017年のかねひで喜瀬カントリークラブ以来の出場となる(29位)。息長くレギュラーツアーへの挑戦をしているが、今年は47歳を迎え、いよいよ後輩ばかりのベテラン世代になってきた。ゴルフの向き合い方も変わってきたという。「今は筋トレがメインですよ。クラブもボールも進化を続けている。だから、自分の体もできる限り時代にアジャストするようにしておかないと、今のレギュラー選手レベルを保っていけない」と苦笑い。予選会に挑戦を続ける強い気持ちは、若い世代の選手に負けることはない。
この日バックナインで取った5つのバーディーは、全てワンピン以内という正確なショットだった。井上は所属コースである袖ケ浦カンツリークラブで、その腕と技を磨いてきた。日々向き合う筋トレの成果も出てきたのかもしれない。「こうやって日本プロのスタート地点に立った姿を、応援してくれるみなさんに見てもらいたい」と、井上は感謝を口にした。
3位タイ6アンダーで、狩俣昇平が上位通過した。「グリーンは速いし、素晴らしい仕上がり。実は先週練習ラウンドにきたのですが、その時よりもコンディションが良くなってて、これが公式戦なんだって驚きました」とコースを絶賛する。
PGA会員になって今年で10年目を迎え、ようやくつかんだ3度目の日本プロ出場。予選会から出場権を掴み2014、2018年は決勝進出を果たしているので、相性のいい大会だと感じている。「最近スイングのコツのような、ポイントが発見できて、練習でもいい手ごたえがあるんです。だから、このまま自分のゴルフを続けて、本戦でも実践したい。どんな成果がでるかちょっと楽しみ」。3度目の日本プロで「無理をせず」「自分のゴルフを実践して」好成績を残すのが、狩俣の目標だ。
マンデー進出者35名が決定し、フィールドには144名の選手が勢ぞろいする。29日は指定練習日で、ギャラリー観戦は撮影が可能。30日はプロアマ大会の為に入場は不可だが、7月1日からの本戦を楽しみにしてもらいたい。