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日本プロ

【7/3 / 3R】日本タイトル3つ目にリーチが掛かる稲森祐貴が2位浮上

2021年07月03日
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 3勝目もやっぱり「日本タイトル!?」。昨年の日本オープンを制し、ツアー通算2勝目もまた同オープンで飾ったのが稲森佑貴。タフなコースセッティングでは持ち前の武器である「曲がらないショット」が自ずと生きてくる。優勝への歩を着実に進めるように、稲森は初日11位タイ(スコア68)から2日目7位タイ(同68)、そして3日目のこの日は6バーディー・1ボギー66をマークして首位・池田勇太とは1打差の2位にまで順位を上げ、明日の最終日を迎える。

 ステディーゴルフが信条の稲森は、「らしさ」を失っていた。中日クラウンズでの9位タイが今年の最高成績で、予選落ちを3回も喫していたのだ。「ミスの理由が分からないゴルフが続いていました。今週のプロアマ大会後の練習で去年(好調時)の感覚が戻って来たので、初日に思い切って(練習どおりに)やってみたら、良い感じでショットでき、ミスショットしてもその原因が直ぐに分かるようになりました」。稲森は言葉で表現するのは難しいと前置きしながら「アドレスの取り方を自分がしっくりする構えにしたら型にハマりました」と説明した。落ちていた飛距離もショットの方向安定性も取り戻したことが好スコアに結びつき出したようだ。

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 稲森にとって日本プロゴルフ選手権は、プロデビュー戦という思い出深い一戦。2011年、PGAプロテストに最年少記録(当時)で合格し、新人戦優勝によって出場資格を獲得。その翌年、今大会と同じ栃木県の烏山城カントリークラブで開催された2012年大会でのことだった。予選ラウンドでは大会歴代覇者の池田勇太と河井博大という「激熱」な組み合わせ。初見した池田の第一印象は「厳つい!でした。一目見てですよ。それに自分のオーラを出していました。でもラウンド中は、気遣ってくれて、スムーズに回れるようにして頂きました。刺激しかないデビュー戦でしたから未だに忘れられません」と稲森は振り返る。

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 あれから9年が経ち、日本オープン2勝の稲森が最終日に首位・池田と最終組でラウンドする。「(大会3日間)アウトコースでスコアを伸ばし切れていないので、明日は伸ばしてインコースへ向かいたい。遠慮せず、自分のゴルフを貫きたいです。林間コース、タフなセッティング、我慢比べは好きですから」。

 奇しくも大会舞台・日光カントリー倶楽部と、烏山城カントリークラブはコース設計が名匠・井上誠一氏。そして池田との最終組対決。プロデビュー戦時よりも、どれだけ強くなったかを池田に見せつける時を迎えたのかも知れない。日本タイトル2冠奪取へ--そんな稲森に尋ねた返答は「日本オープン2勝して、僕もオーラを出しているんですけど……」。見どころの多い、最終日最終組になった。

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