上位35位以内の選手に本戦である日本プロゴルフ選手権の出場資格が与えられる出場選考会は、大会開催週の月曜日に行われた。山本豪はイーブンパー71で回り、25位タイに喰い込んだ。「前週はAbemaTVツアーの大山どりカップに出場したのですが、頭の中はマンデー(出場選考会)のことばかりで、プレーに集中できずの予選落ちでした。体裁のよい言い訳かな」と山本は苦笑いを浮かべる。しかし、それもご愛嬌だろう。2017年の関西オープン以来、2度目のツアー出場を自らの手でもぎ取ったのだから、予選落ちの悪い記憶は拭い去って、メジャー大会出場を良い記憶にすればいい。
初日は3バーディー・1ボギー69の23位タイとし、この日は6バーディー・1ボギー66をマーク。ラウンド数を重ねるごとにバーディーを大量生産している。通算7アンダーにまで伸ばし、3位タイで予選通過を果たした。
「ラッキーでした。昨日は午後組での最終(13時25分)スタート。今日は午前組の最終(8時55分)スタートでしたが、雨に降られたのは計36ホールで3ホールくらいでしたからね。梅雨時なのに、天気予報も雨だったのにですよ」。真ん丸目玉をさらに丸くしながら運の良さを好スコアに結びつけられたというのだ。
3番ホールで3メートルのバーディーパットをねじ込むと、4番パー5ホールでは3打目100ヤードをカップ50センチにピタッと止めて連続バーディー。6番パー4ホールではピンまで残り140ヤードをピッチングウェッジで1.5メートルに着けて3つ目のバーディーを奪取した。
後半の10番パー4ホールでドライバーショットを左林に打ち込み、ボールは木の根に着いていたためレイアップ。3打目を寄せ切れずにボギーとした。だが、11番パー4ホールで2メートルのバーディーパットを沈めてバウンスバック。その後13、17番ホールで3メートル、6メートルの距離のパットを一発でねじ込んだ。「バーディーチャンスのパットがすべて入ってくれました。やっぱりメジャー大会って、いいですね。悪天候なのに大勢のギャラリーがいるし、こんな無名の自分にも『ナイスバーディー!』と声援を送ってもらえる。嬉しいし、プレーしていて楽しいです」。
初のメジャー大会出場に戸惑いや不安はないのだろうか。「日本タイトル戦だからと気負ってもしようがないし、ビビっても仕方ありません。ただひたすらに前へ前へ進んで行くだけです」。名前の「豪(ごう)」は、両親の新婚旅行先が豪州だったからだという。インスタグラム掲載の承諾を山本に得てアカウントを尋ねた。「@go_yamamoto50です。フォロワーはほとんどいませんよ」と山本。2日後にはシンデレラボーイになって、バズらせてもよいのでは? この勢いで残り2日もその名のとおりGO!GO!