出場選手144名中、「日本プロゴルフ選手権」を最も楽しみにしていたのではないだろうか。
今大会がプロデビュー戦となる鈴木大哉のことだ。昨年12月の「第24回日本プロゴルフ新人選手権 富士可児カップ」で優勝した鈴木は、賞金100万円と今年の日本プロゴルフ選手権の出場資格を獲得。新人戦で優勝したその日から、7か月先の日本プロに照準を合わせて準備してきたという。
「出場できることが決まってすぐ、恵庭カントリー倶楽部のコースレイアウトをネットで調べ、シミュレーションしていました。カギになると考えていたのは、ロングアイアンの精度です。4番ホールは209y、13番ホールは223y、16番ホールは197y。僕にとっては4番~5番アイアンの距離です。また、270yある8番ホールは、2番アイアンを使うイメージを持っていました」。
今日の練習ラウンドでは、シミュレーション通りにプレーでき、ツアー史上最長となる270yのパー3も1オンに成功した。
十分に事前準備をしてきた鈴木だが、実際にコースを訪れると想定外のこともあったという。
「覚悟はしていましたが、ラフは足首がすっぽり隠れるほど深く、フェアウェイはかなり絞られていました。特にグリーン周りのラフに苦しむ選手は多いと思います」。
公式戦ならではの難セッティングを鈴木はどう攻略するのか。
「ティショットもセカンドショットも、もちろんラフに入れないことが大切。ですが、当然ミスをすることもあります。ティショットがラフに入ったら、ショートアイアンで刻むことも選択肢に入れなければいけません」。
一方、グリーン周りのラフはそこまで警戒していないと鈴木。
「技を使えないくらい深いラフなので、『シンプルに打つだけでいい』と諦めがつくんです」
ドライバーの飛距離はキャリーで300y。普段から2番アイアンをクラブセッティングに入れるほどパワーがある鈴木だが、「得意クラブはウェッジ。小さい頃からアプローチばかりやってきたんです」と自信をのぞかせた。
「目標スコアは1日2アンダー。4日間トータルで8アンダーを目安にし、チャンスがあれば1打でも伸ばしていきたい」。
自身を「緊張しないタイプ」と分析する鈴木のプロデビュー戦に注目したい。