日本最古の公式戦である「第90回日本プロゴルフ選手権大会」は、7月27日から30日の4日間、北海道にある恵庭カントリー倶楽部で開催される。2009年に第77回大会が行われ池田勇太がプロ初優勝を飾った大会が、14年振りに戻ってきた。
大会前日の指定練習日は好天に恵まれた。日本列島を夏の高気圧が覆い、北海道も30度を超えまれにみる暑さとなった。厳しい芝の照り返しが熱さを倍増させるが、木立の中に入れば涼が感じられる。
恵庭カントリー倶楽部は27ホールを有し、大会では阿寒コース(アウト)と摩周コース(イン)を使用する。全長7,441ヤード、パー72というセッティングは、日本一のプロゴルファー決定戦に相応しい長さと難易度を誇る。特に注目すべきは阿寒コース(アウト)の8番パー3ホール。270ヤードという距離は、詳細なデータの残る1992年以降における最長パー3の記録を更新した(それまでに記録は、2012年とおとうみ浜松オープン16番ホールの267ヤード)。
前年大会覇者の堀川未来夢の活躍にも期待がかかるが、「会場が毎年変わるので、その点はあまり去年のグランフィールズとは変わるので、自分もそのコースに挑戦するという意味で、挑戦者かなと思います。ディフェンディングですけど、フラットです。一つでも順位を上げたい」と口を結ぶ。
コースの印象については「難しいですね。以前に回った時と、全然印象が違います。ラフも伸びていますし、新しくできたティーグランドとか、結構ドロー殺しなホールがあって、攻めにくい」と首をひねる。堀川は続ける。「昨日プロアマでご一緒した方が、コースの設計に携わっていて、コースの意図などを1ホール1ホール解説してくださり、ためになるプロアマでした。それを汲み取った上でターゲットを狙って、トラブルにならなければ」と慎重にゲームを見ているようだ。
日本プロ歴代覇者(2019年)の石川遼も話題の選手である。練習ラウンド後に、コースの印象を聞くと「全部パー3もパー5もうまくプレーしたいんですが、パー4のマネジメントというところが、かなりオプションがいっぱいあるので、そこをどうやってその日の自分の状態とかを冷静に見極められるかです。風だったりピンポジションだったり。ティーショットでは、このホールはこのクラブで打つみたいなのが、パー4はあまり決まっていないという感じです」と受け止めている。
8番パー3ホール(270ヤード)については「考え方だと思います。みんな同じホールを回るので、なんでも大丈夫というか。逆にめちゃくちゃ簡単なホールに改造されちゃうと、レベルの差は出にくいですから。100ヤードのグリーンが平らで、真ん中ですという事のほうにコースが変わっていってしまうと、誰が打っても、プロゴルファーだったらだいたい平均2~3メートルには着く。みんなグリーンを外しにくいじゃないですか。だから、このセッティングは非常にフェアだとは思います」と石川は分析した。
大会チケットは開催コースで販売しており、前売り券は練習ラウンド観戦を含めた5枚つづり(1万円)で、予選・決勝ラウンド共通入場券4枚がついてくる。27日以降は会場ギャラリーゲート入口付近で当日券を販売する。予選ラウンドは各日4000円(税込み)、決勝ラウンドは各日6000円(税込み)となっている。
第1ラウンド、第1組目は朝6時45分からスタートし、144名のプロゴルファーが日本タイトルをかけて戦う。プロ入り後デビュー戦を迎える選手や、ツアーシーズン半ばを迎えている選手、そして親に晴れ舞台を見てもらおうと家族総出で楽しんで来場している選手といったバリエーションに富むスターが勢ぞろい。今年の日本一タイトルを獲得するのは誰か。
コース内に生息しているうさぎも、暑さでばてました