前週は全英オープンに出場していたこともあり、恵庭カントリー俱楽部での練習ラウンドは1日のみ。調整不足のまま、日本プロゴルフ選手権に挑んだが、初日70、2日目71、3日目70、最終日68。蝉川泰果は、トータル9アンダーの2位タイで大会を終えた。
「タフなコースでどれだけできるのか不安はありましたが、4日間全てアンダーパーでプレーできたことは自信になります」と胸を張る。
たが、反省点もある。最終日は首位と5打差、トータル5アンダーの6位タイでスタートし、12番までに4バーディ・ノーボギー。上位陣が伸ばし切れずにいる中、トータル9アンダーと、じわじわ差を縮めた。「意外にいけるのかな」と、終盤に優勝を意識し始めた蝉川。しかし、ここから歯車がかみ合わなくなる。
「ティショットは守りに入ってしまった分、右に吹かし、セカンドがなかなかピンそばにつけられない展開が続いてしまいました」。
14番でボギーを打ち、15番で取り返すも、上がり3ホールでスコアを伸ばすことができなかった。最終ホールのパーパットを沈めた後の悔しそうな表情が終盤のゴルフを物語っている。
「プレッシャーの中でのプレーには自信があったけど、久しぶりの優勝争いで焦っていました。最終ホールは『獲って上がりたい』と思っていましたが、獲れなかった。プレッシャーに負けた自分がいる悔しさはすごくあります」。
自分らしい強いゴルフを取り戻す対策は2つ。
「もっともっと感性を活かしたパッティングができれば、プレッシャーがかかった場面でもしっかり打てる。来週からもっと練習したい」。
もうひとつは、リーダーボードを意識しないことだ。この日は13番を終えた後に順位を確認し、その直後の14番でボギーを叩いてしまった。
「最終日最終組だった『ゴルフパートナーPRO-AM』でも、リーダーボードを見て、すごく意識しました」。結果は、J・パグンサンに1打差の2位だった。一方、昨年の「パナソニックオープン」、「日本オープン」、今年の「関西オープン」、そして昨年の下部ツアー「ジャパンクリエイトチャレンジin福岡雷山」は、リーダーボードを見ずに戦って勝利を挙げた。
「順位を意識せず、自分の決めた目標スコアに向けて集中するのが一番いいのかなと思っています」。
後半戦は、ディフェンディングチャンピオンの「パナソニックオープン」と「日本オープン」が控えている。「ミスりたくない気持ちはすごくある。毎週優勝争いに加わり、将来的には圧倒的な存在といわれる選手になりたい」と自らを奮い立たせ、コースを後にした。