NEWS
日本プロ

【7/30 FR】平田憲聖が大会史上最年少・完全Vで「日本プロゴルフ選手権」を制覇

2023年07月30日

 日本最古のトーナメントで今年のプロゴルファー日本一を決定する「第90回日本プロゴルフ選手権大会」の最終ラウンド。首位スタートの平田憲聖は、前半2つスコアを落とし一時は逆転されたが、得意とするバックナインでバーディを重ね、追走するライバルを振り切り、277ストローク、通算11アンダーで日本プロ優勝、ツアー通算2勝目を飾った。優勝賞金3000万円と副賞にG-SHOCK MRG-B5000Bが贈られた。2打差2位に蟬川泰果と金谷拓実が入り、金谷は今季の獲得賞金が7000万円を超え、賞金ランキングトップに着けている。

 2位と1打差の首位でスタートした平田憲聖が、最終日を5バーディ・4ボギーの71でプレー。トータル11アンダーで今季2勝目を、自身初の初公式戦制覇で飾った。初日から首位を守った完全優勝である。しかし、最終日は一時トップを譲る苦しい展開だった――。

 平田にとっては、初めての最終日最終組。だが、「緊張することなく、スタートホールのティショットを打てた」とティオフを振り返る。1番は、残り79ヤードの2打目を1.5メートルにつけ、下りのスライスラインを流し込んでバーディ。幸先の良いスタートだ。しかし、6番、7番、9番でボギー。ずるずるとスコアを落としてしまう。「どれも3パットのボギー。パッティングのタッチが合わず、前半は良くない流れで苦しかったです」。

 9番のボギーの時点では、このホールでバーディを奪った上井邦浩に首位の座を明け渡す。だが、平田は冷静だった。

「自分の中では、イメージと実際のボールの転がりにそこまでの差はありませんでした。グリーンが少し重く、結果的にショートしていただけ。後半は単純に振り幅を大きくしました」。

 この調整がうまくいき、本来の調子が戻ってきた。12番(パー5)でバーディを奪い、13番(パー3)でパー。14番のティショットを打つ前のリーダーボードで、自分が再びトップタイにいることを確認した。「その時点で9アンダーが4人。まだまだどうなってもおかしくない状況です。しかし、このまま負けるのは悔しい。絶対に伸ばして優勝しようという気持ちが強くなりました」。

 気合を入れ直して臨んだ14番(パー4)は、ティショットを右ラフに入れ、残り185ヤードの2打目がグリーン左のカラーに止まる。パターを持った3打目はカップまで15メートル。これをねじ込むと、クールな平田から大きなガッツポーズが出た。「このバーディが大きい意味を持つと思っていたので」と表情を緩ませる。

 実は、このバーディには伏線がある。「初日の14番でも、カラーから20メートルが入りました。初日と今日のピンポジが似ていて、打つ前から良いイメージが出ていたんです。バーディを決めた後は、キャディさんと『デジャブみたい』と笑いながら話していました」と、再び単独トップに立った1打を振り返った。

 続く15番(パー4)では、セカンドショットを4メートルにつけて、連続バーディ。17番(パー5)でも、難しい5メートルの下りのストレートラインを沈め、トータル11アンダーとした。18番(パー4)はボギーとしたが、結果的に2位に2打差をつけ、ツアー制施行以降、大会史上最年少優勝を達成した(22歳246日)。

 今年5月の「~全英への道~ ミズノオープン」で初勝利を挙げている平田の次の目標は、「今季3勝目を挙げること」だ。

「どの大会でもいいのでもう1勝できたら最高です。今年は『日本オープン』が、実家からクルマで10分の茨木カンツリー倶楽部で開催されるので、そこでは優勝といかないまでも上位でプレーしたい。2勝を挙げましたが、今年は予選落ちも多いので、いつでも優勝争いができる位置で戦えるゴルフがしたい」と締めくくった。