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日本プロ

【7/29 3R】“ゆっくりテンポ”でバーディラッシュ!金谷拓実が通算7アンダー・3位に浮上

2023年07月29日

 首位と6打差の19位タイから出た金谷拓実が9バーディ・3ボギーの66とスコアを6つ伸ばし、通算7アンダー。首位の平田憲聖に3打差の単独3位で3日目を終えた。

 出だしから3連続バーディと好調に滑り出した金谷は、5番でもこの日4つ目となるバーディで、さらにスコアを一つ伸ばす。7番はボギーとしたものの、後半に入るともう1段階ギアを上げ、10番から12番で再び3連続バーディ。その後15番でボギーを打つも、16番でバウンスバックし、そのまま通算7アンダーでホールアウトした。

「今日はティショットをフェアフェイに置くことができ、チャンスを作れました」とバーディラッシュの要因を語った金谷。初日は75を打ち、85位スタートと大きく出遅れた。しかし2日目には68をマークして通算1アンダーまで巻き返し、19位タイで予選突破を決めている。「ティショットがフェアウェイにいかず、ラフからセカンドショットを打たなければいけなかったのが初日のスコアの原因。2日目からはティショットが安定していました」。

 わずか1日でドライバーが復調したのはなぜか。「全英オープン帰りの疲れが出たのか、スイングのテンポ速くなっていたんです」と、その理由を説明する。不調の原因に気付けたのは、昨年、調子が良かった時のプレーを見返したからだそうだ。「昨日から、良いリズムで振れるように、落ち着いてスイングすることを心がけていました」。以前からスイングテンポを重視している金谷は、プレー中にテンポを意識しているだけでなく、日常生活からゆっくり歩き、ゆっくりしゃべることを心がけている。初日のホールアウト後に昨年のプレーを見返した際も、自分の歩くスピードや話すスピード、間合いもチェックしていたという。

 たかがテンポ、されどテンポ――。この一点を修正したことでドライバーの精度がグンと上がり、怒涛の巻き返しとなったわけだ。ちなみに、もしも初日85位タイからの優勝となれば、詳細なデータが残る1985年以降では、5番目の記録となる。

 2019シーズンの「三井住友VISA太平洋マスターズ」で、当時史上4人目となるアマチュア優勝を達成した金谷。プロ転向後は、2020-21シーズンに「ダンロップフェニックストーナメント」と「東建ホームメイト」を制覇。ルーキーシーズンに賞金ランキング2位という活躍を見せた。昨年は積極的に海外ツアーに参戦。自身が納得できる結果を残せなかったが、今年2月のアジアンツアー「インターナショナルシリーズオマーン」で海外初優勝を飾っている。

 日本ツアーに主戦場を戻した今シーズンは、「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で完全優勝を達成して国内ツアー通算4勝目。メジャーを初制覇している。「日本プロゴルフ選手権」を獲ることになれば、日本タイトル2連勝となり、2004年のS・K・ホ以来、19年ぶりの快挙となる。「メジャー大会は他の試合よりも注目度は高いし、セッティングも難しい。『日本プロ選手権』は歴代優勝者を見ても、強い選手ばかりです。明日は優勝を狙います」と力強い言葉で締めくくった。