「存在感は示せたと思います」。ラウンド後にそうコメントしたのは、予選会から本大会の出場権を獲得した原敏之だ。
2日目は、1イーグル・3バーディ・5ボギーのイーブンパー。トータル2アンダーとして11位タイで決勝ラウンドに駒を進めた。
「完璧だった」と自賛したのは、5番(パー4)の2打目だ。「残り95ヤードを58度のウェッジで打ちました。今日納得できる唯一のショットです」というボールは、カップに吸い込まれてイーグルを奪取。3番(パー4)のバーディと合わせ、序盤で3つスコアを伸ばした。しかし、6番(パー4)と8番(パー3)をボギーとしてしまう。「8番はワンオンしたのですが、ファーストパットで距離感が合わせ切れずに3パット。反省点です」。
バックナインに入り10番(パー4)と12番(パー5)のバーディで流れを引き戻し、12番が終わった時点でトータル5アンダー。リーダーボードの一番上に立っていた。しかし、原には順位を気にする余裕はなかった。「5番以外はティショットがほとんど曲がっていましたし、ボギーになりそうなところをなんとかパーでしのいでいたゴルフでした。後半に入ってからは、体力も集中力も切れかけていました」。14番(パー4)でボギーを打つと、17番(パー5)、18番(パー4)の上がり2ホールで連続ボギー。トップを守ることはできなかった。
「ペース配分が上手くいかず、終盤に崩れる傾向があるんです」。
今大会はコースセッティングが難しいことも理由だが、“スタミナ切れ”の要素も大きかったようだ。
「僕はいつまでも練習をやってしまうタイプ。油断していると、いくらでもボールを打ち続けてしまい、初日を迎える前に疲労がピークに達していることがあります。昨年は練習のやりすぎが原因で、腰痛になりかけたこともありました」。原が現在テーマにしているのが、“なるべく練習しないこと”だ。「練習をしない“怖さ”はもちろんありますが、このルーティンで試合に挑むようになってからコンディション、成績が良くなりました」。
前半戦10試合に出場している原は、予選を通過したのは2試合のみ。上位で決勝ラウンドに進んだのは、この試合が初めてだ。残りはあと2日。体力を温存して粘りのゴルフを見せてもらいたい。