2日目を5バーディ・2ボギーの3アンダーでまとめ、トータル4アンダーで予選ラウンドを終えたのが小鯛竜也だ。
「日本プロゴルフ選手権」の出場資格を持たなかった小鯛は、先週開催の北陸オープンで優勝し、「過去1年間のPGA後援競技優勝者」の資格で本大会の切符をゲット。144名中、一番最後に出場を決めたプレーヤーだ。
「ここ最近は調子が良く、気合を入れて乗り込んだのですが、北海道にきてから体調が悪くなってしまって…。昨日は軽い熱中症のような症状が出て、『今日回れるのかな』と思ったくらい。ですが、逆に良い意味で力を抜いてプレーができたのが良かったのかもしれません」。
前半戦終了時点の賞金ランキングは55位。最上位フィニッシュは「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」の20位タイと、ここまで満足いく成績を残せていない。しかし、前週に地方競技の北陸オープンで優勝したことでも分かる通り、ゴルフの調子は上向きだ。
「技術的に、自分が思うような球を打てるようになってきたことが好調の要因。元々はフェードボールが持ち球でしたが、今は状況に応じてドローを打ったり、色々な球を打つようにスイング改造しています。勝負所でドローも打てるようになったのでマネジメントの幅が広がりました」。
象徴的だったのが、左サイドに池が広がる255ヤードのパー3、8番ホールの攻め方だ。
今日のピンポジは、池に近い左サイド。フェードボール主体の攻め方では、右に逃げすぎてしまう可能性がある。「今までなら2番ユーティリティを使っていましたが、今日は4番アイアンでドロー目に打ちました。ちょっとつかまりすぎて深いラフにボールが飛びましたが、奇跡的にティアップしているみたいなライでした」。
ピンまで約20ヤードのアプローチを沈めてバーディを奪った小鯛は、「ラッキーはありましたが、ドローで攻められたのが結果的に良かった」と振り返る。
「マイナビABCチャンピオンシップ」でツアー初勝利を挙げたのは2017年。もう6年前だ。「早く2勝目を挙げたいとイメージはしていますが、前半は狙える成績ではありませんでした。でも、最近は良い感じできているので、この試合が良い弾みになればいいと思っています」。
「最終日のバック9で優勝争いできる位置にいたい」と小鯛。その目標の先に、悲願の2勝目が見えてくる。