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シニアツアー

【ISPSハンダカップ・1R】湯原は10日間の休養後の初日首位と好スタート!

2017年11月16日

 湯原信光(60)が「慎重に」プレーしたのが、吉と出た。初日トップに「なんか、久しぶりだね」と笑顔がのぞく。

前試合の富士フイルム最終日スタート前に、右背筋を痛めて棄権した。すぐに病院に行って、右背筋肉離れと診断された。幸い症状は軽かったが、言われたのは「何もしないように」だった。それから10日間安静にした。

 

自宅の近くのホームドクターにも相談して「体のツボを探っていって、体の回復を早める治療をしてもらった」と、けがの場所が場所だけに、慎重に治療を進めてきた。その甲斐あって、14日の火曜日に「だいぶ痛みがなくなったので」とコース入り。ラウンドして状態を確かめ「痛みが出たらやめるつもりだった」という。ひどくならなかったのを確認して出場を決めた。

もちろん、無理して振って痛みが出るとまずい。プレーも慎重になった。それがよかったのか。2番でボギーが先行したが、3番で2メートルを入れ、4番では8メートルのパットを決めた。7番で2メートルにつけ、2オンを狙える9番パー5では右ラフに打ったので無理せず刻んで第3打を1メートルにつけ、アウトを3アンダーで折り返した。

インでは15番でボギーにしたが、17番で2メートル、18番では4メートルを沈める上りホール2連続バーディーで首位に立った。

何がよかったか?「10日間完全休養したんで、疲れがすっかり抜けたことかな」という。2013年に東京国際大ゴルフ部監督就任後、選手との2足のワラジ。ここ数年はスケジュール的にも多忙を極めてきた。夏に引いた風邪も長引いていた。けがをしたことで、逆に体を休ませることができた。それでも、久しぶりにコースを回った14日には、夕方から東京国際大に行って学生たちの指導も再開している。

「風の中のプレーは好きだからね。いろいろやらないといけないというのが得意だから」という。この日が時折強くなる冷たい北風で、全体的にスコアが伸び悩んだ。その中で、自分の引き出しにある技を駆使してきた。「背中のこと、風のこと、無理しないことが一番だった」と振り返った。

2010年皇潤クラシック以来優勝から遠ざかっている。「いつだって優勝したいと思ってプレーしている」という。そのチャンスが、けがというアクシデントの最中に来た。「まずはプレーができる肉体を後2日持たせること。そして周りに期待を持たせること」と笑った。宿泊しているホテルのベッドも固いものにしてもらうなど、残り2日間、「壊れない」ようにやるのがまず第1。そして「けがの功名」にしたい。

(オフィシャルライター・赤坂厚)