崎山武志(54)が今季シニアツアーで、初めて首位に立った。「やっと練習できる体調になった。今はボールを打てるのが楽しいんです」と笑顔を見せた。
圧巻の5連続バーディーだった。11番でボギーをたたいてこの日1オーバーになったところで、気落ちせずに「残りホールはまだあるし、あきらめないでいこう」と思ったのがよかった。12番で右3メートルを入れ、13番パー3では5番アイアンで2メートルにつけた。14番パー5で第3打を1メートルにつけ、15番では「いいのが入りました」と7メートルを入れた。16番では先に同じようなラインのミノザが打って外したが「ラインは読めていた」と3メートル弱を入れて5連続バーディーで一気に首位を奪った。
今季は5月から腰痛に悩まされてきた。試合をこなしながら治療をしてきたため、調子を取り戻したのは9月下旬の2位になったアルファクラブぐらいから。ここ数年、常に賞金ランク上位にいたが、今季は棄権や欠場もあって21位に低迷している。前日も「ここでなんとか力を入れたいなと思っているんです」といった通りの浮上になった。
この日も同年齢で同じ契約先の清水洋一、久保勝美とウエアの色を合わせた。3人で同じ組で回った第1ラウンドでは赤、この日は組は分かれたが白とピンクの市松模様。「1962年生まれの僕たちで、何かファンサービスはできないかと考えて。おじさんが気持ち悪いって言われるかもしれないけど、いいねって言ってくれる方も多いんで」という。そうした3人の「勇気」に、主催者側も忖度?したのか、3人同組の組み合わせになったのは今季3試合目になる。「ファンケルの時は清水(プレーオフで2位)、日本プロシニアの時は久保(2位)の成績がよかったので、今回は自分がいいとわかっていた」と笑った。
最終日は今季初優勝をかける。相手はやはりマークセン。「マークセンとは今年の全米プロシニア3日目に一緒に回った。僕のドライバーを3番ウッドでおいていかれるんで飛距離ではかなわない。僕が先にセカンドを打つと思うので、そこでプレッシャーをかけたい」と話した。
このタイトルが欲しいと日ごろから言っていた。「もっちろん、取りたいです」。声が大きかった。
(オフィシャルライター・赤坂厚)