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シニアツアー

<富士フイルム選手権・1R>ウエイティングから今朝出場がきまった金子が5位スタート

2017年11月02日

 ウエイティングからこの日の朝出場が決まった金子清重(50)が、首位に2打差5位の好スタートを切った。

 運が重なっての出場だった。当初はこの大会の現地でのウエイティング順は2番目で「行くのをやめようと思っていた」という。前週福岡シニアでシード選手の三好隆が優勝したため、出場枠が1つ空き、ウエイティング1番目の早野健の出場が決定。金子の現地ウエイティング順が1番になり「火曜日に慌ててきました」という。まだ出場できるかはわからなかったが、この日の第1ラウンドの朝、尾崎健夫がスタート前に腰痛で欠場したため、おはちが回って来た。

 「出られないと覚悟していた」というだけに、あわただしいスタートになったが、1番でいきなり4メートルを入れるバーディー発進。5番でも1メートルにつけ、17番パー3では6メートルを入れて3バーディー、ボギーなしで回ってしまった。「グリーンを外したのは2回だけでした」と自分でもびっくりのラウンド。3番で5メートルのパーパットを入れてピンチをしのいだのが、好スコアにつながった。

 大阪・和泉工高ではサッカーのFWを務めていた。電気科を卒業して電気工事会社に就職した。24歳で結婚後、転勤命令が出たが「妻が反対したので」と、会社を辞め、そのころゴルフを始めていたこともあって、現在の所属先でもある大阪・富田林市のゴルフ練習場、喜志ロイヤルゴルフセンターに転職。30歳の時に「2回落ちたらやめる」とプロテストを受験したが、不合格。「30歳から33歳まで喫茶店もやっていた」という異色の経歴の持ち主だ。

それでもゴルフをあきらめず、レギュラーツアーのQTに挑戦しながら続け、41歳の時にプロテストに再挑戦、ブランクを経て3度目で合格した。シニアツアーは50歳になった直後の、昨年ISPSフィランスロピーでデビューしている(予選落ち)。「レギュラーでは上には行けませんでしたが、シニアだったら若手なんでちょっとぐらいは行けるかなと。テレビで見ていた人たちばっかりなんで緊張していましたが、最近は声をかけていただけるようになりまして」と、今季12試合目となってシニアの雰囲気に慣れてきている。

好発進の気分は?「すごくいいです。こんなのなかなか味わえません。なんといってもコースがいい。関西と違って広々していて」と笑った。

最終日11月4日は51歳の誕生日。「優勝」で祝いましょう。「賞金ランク51位なんで、ここでなんとか最終予選に直接行ける50位以内に入りたいんです。あわよくば30位(来季シード権)を目指します」と、控えめな目標を挙げた。

(オフィシャルライター・赤坂厚)