スタート前半9ホールでは、3バーディー2ボギーと出入りの激しいゴルフを展開した田村尚之(53)。後半に折り返した時点で朝から降り出していた雨がさらに強まった。
「ショット自体は別段そう悪くはないんです。ただ、ホールを重ねるごとに少しずつ流れが悪い方へ向かって行く。そして、最後はパットがカップの縁を回って外に飛び出す始末。そんな繰り返し。サスペンス劇場ですよ。えっ!? 何で? どうして? 嘘でしょって思いもしない結末が待ち受けているんですよ」
一緒にラウンドしたプロから様々な言葉を掛けられる。「いくらなんでもカップの縁を舐めすぎでしょ」と川岸良兼。「お祓いに行った方がいいよ」と久保勝美。
不運を挙げたら切りがない。一度はカップに沈んだボールがカップから飛び出したり、細い木の根元にボールが止まり、打ち出そうとして空振りをしたり…。
「僕はお祓いには行っていませんが、(親交のある三遊亭)圓楽さんが代わりに行ってあげたからってSNSメールが来たのが日本シニアオープン後でした」。
日本シニアオープンは予選落ち。だが、それ以降はアルファクラブシニア53位タイ、セブンヒルズカップ12位タイ、日本プロシニア選手権9位タイ、佐世保シニア5位タイと試合を重ねるごとに成績も比例して上がっている。
来週はシニア初優勝を飾った富士フイルムシニアが控えている。「終わりよければすべて良しではありませんが、残り4試合で頑張りたいです」と田村。今週は最低でもベスト3、チャンスがあれば頂点。そんな流れを引き込んでいるのは確かだ。