湯原信光(60)が久しぶりに上位に顔をだした。
6番までに3バーディーを奪った。7番で3パットのボギーにしたが11番で4メートルを入れて取り返す。「切れるか切れないか、分かりにくかった」というグリーンでチャンスも多く作った。17番で1.5メートルを逃し、最終18番で3パットして2アンダーに後退したが、3位グループにつけた。
「優勝」がほしい。
この大会、その思いが強い。刺激となる3つの理由がある。
その1。自身が監督として率いている東京国際大ゴルフ部が関東学生秋季対抗戦Bブロックで男子が優勝、女子が2位となった。「学生が頑張っているから、理事長から『そろそろ』と言われている」と、監督自身の活躍を期待されている。「僕がやらないと、学生たちにも言いたいことを言えない。見せないといけない」という。
その2。この大会の特別協賛が九州朝日放送(KBC)。大会の冠スポンサーになっている。2002年、レギュラーツアー最後の優勝はKBCが冠スポンサーの「KBCオーガスタ」。レギュラー、シニアで同じ冠スポンサーの大会に勝つのは「史上初じゃないのかな」と笑う。また、シニアで勝ったのは福岡で行われた皇潤クラシック。「方角もいい」というのもヤル気になっている。
その3。そのKBCが制作する今大会の模様を収録した録画放送に解説者として出演する。「みんなから、優勝者として解説してくださいって。盛り上げたいし、前代未聞でしょ、そうなったら」。これは、おもしろそうだ。
「こういう刺激があると楽しい。ものすごいスコアが出るかどうかは分からないけど、いつチャンスが来るか分からない」。首位に食らいついていく湯原の「気持ち」は誰よりも強そうだ。