通算イーブンパー・23位タイからスタートした水巻善典(59)が、最終日に快進撃を遂げた。前半3バーディー・ノーボギー、ハーフターン後の10番パー4ホールでもバーディーを奪い、この時点(午前11時15分)で通算4アンダー・9位タイまで浮上したのだった。12番パー3ホールではティーショットがピンに当たり、ホールインワンは逃したが、楽々バーディー。13、14番ホールでも1メートルのバーディーパットを確実に沈めた。
「今日はパットが良く入ってくれた。大会2日間でバーディー4つ。それもOKバーディーを入れての数だよ。だから、昨日はホールアウト後に練習グリーンでいろいろ試したのが良かったかな」。グリーンの速さに対応するため、「レギュラー時代は重いグリーンでは重い(ヘッドの)パターを使っていました。それを思い出して、(長尺パターながら)ヘッドの重さを感じながらストロークするように変えてみました」と水巻は付け加えた。 重いヘッドを加速させながら振り出すパットイメージ。それを最終日に再現し、16番ホールまで8バーディーを決めて単独3位まで順位を上げた。
「17番(パー4)ホールはティーショットをミスしてのボギー。最終18番(パー5)ホールはツーオンし、ワンピンのイーグルパットを左に引っ掛けました」と苦笑い。9バーディー・1ボギー64、通算8アンダー・4位タイでのフィニッシュとなった。猛チャージで首位を脅かす存在と化したが、トーナメントリーダーになることはなかった。
逆転優勝ならば次週行われる米PGAツアーチャンピオンズ出場資格を得られた。
「マーク・オメーラや(かつて一緒にプレーした)懐かしい選手に会いたかったな」と水巻は猛追が及ばなかったことよりも、旧友との再会チャンスを逃したことに悔しさがあったようだ。