「今日はね、練習しすぎたのかもしれないね」と、プラヤド・マークセン(51)は冗談混じりにスコアを伸ばし切れなかったラウンドを振り返った。
今朝は大会会場に、早めに到着した。いつもルーティンならドライビングレンジへは足を運ばない。そんなマークセンがこの日に限ってなぜか、練習場に足を運び、ショットとアプローチ練習に時間を費やした。だから、十分過ぎるほど飛距離感は把握したつもりだった。
しかし、コースに出てみると距離感がまったく違った。思い通りに打ったショットが「突然失速してストンと落ちてばかり」していたというのだ。
「60ヤードと思って打っても、実際は54ヤードしか飛ばなかったんです。ショートしてばかり。バーディチャンスにはなかなか着けられなかったから、スコアを伸ばせませんでした」とマークセンは悔しい表情を浮かべた。
大会初日に降った雨の影響から地面はぬかるみ、芝は重くなっていた。マークセンはスタート前の距離感を払拭できず、ショットイメージの修正も出来ず、最後の最後までアイアンショットはショートし続けたのだった。
後半に入って、プレッシャーのかかる16番パー4ホール。マークセンはドライバーショットで290ヤード地点までボールを運び、セカンドショットは得意のロフト54度のウエッジでピンを果敢に攻めた。しかし、得意のウェッジショットさえもショートしてしまい、バーディーは獲れなかった。
鬱積が溜まり続けたまま迎えた最終18番パー5ホール。最悪の結果が待ち受けていた。好調だったドライバーショットさえもミスショットしてしまったのだ。「ティーグラウンドの状態が良くはなく、足元が滑りそうな感じを受けながら打ったら、左に大きく曲げてしまいました」とマークセン。斜面からの2打目は前方の木の枝に当たってラフに落ちてしまい、池越えの3打目は、フライヤーしてグリーンオーバー。アプローチも寄せきれずパーパットも沈められなかった。2バーディー1ボギーの71、トータル6アンダー2位タイで最終日を迎えることになった。
今季はスターツシニアで優勝して以来、2度の最終日最終組スタートをしているが、チャンスを掴めずにいる。
「インパクトが強すぎても弱すぎてもダメ。アイアンショットの距離感に悩まされました。それでも首位とは1打差で最終組。優勝へのチャレンジは、明日こそ大丈夫です!」。
「3度目の」最終日最終組で「正直」=優勝を勝ち取ってみせると断言してみせたマークセン。賞金ランク1位の座は誰にも譲らない。