今季シニアツアー5試合に出場して優勝2回、3位2回、5位1回。賞金ランキング1位の座に就いている昨年のシニア賞金王プラヤド・マークセン(51)が、単独首位に立った。
1番ホールからスタートして前半でスコアを3つ伸ばし、ハーフターン後は10、11番ホールで連続バーディーを奪取。5アンダーにしたものの、マークセンには珍しく12、13番ホールで連続ボギーを叩き、一時は首位の座を明け渡した。
「ドライバーショット自体は悪くないけれど、ボールの落下地点に運がなかった。ラフに止まってしまうことが多かった。ボールに芝草が着くと、砂も付いてスピンコントロールがしづらくなり、思っていたほどスコアを伸ばせなかった」とマークセンは苦笑いを浮かべながらこの日のゴルフを振り返った。
シニアツアー界屈指の飛ばし屋だけあってドライバーショットの落し所よりも先に、フェアウエイが絞り込まれた地点まで飛んでしまう。グッドショットも結果はラフに捕まり、バッドショットと化す。スタート前の朝のドライビングレンジではロフト60度、54度、50度のウェッジとピッチングウェッジ、9番アイアンの5本だけを練習するのがマークセンの流儀。
「明日はパー5でドライバー、パー4では3番ウッドでティーショットするつもり。最終組スタートだからグリーンコンディションはきっと良くないから、パットに悩まされるだろうね。だから3つくらいスコアを伸ばせたらいいかな」。
マークセンは7月の全英オープン、全英シニアオープンに出場し、その際にロフト60度のウェッジを現地クラブスタッフに作ってもらった。8月、日本に戻ってすぐにその60度ウェッジと同じヘッド形状のウェッジ2本(ロフト50度、54度)をオーダーしている。マークセンのクラブ担当スタッフは「2、3カ月毎にウェッジ交換するプロがほとんどですが、マークセンは1カ月か1カ月半で新ウェッジにします。溝が減ってスピン感覚が変わってしまうのを嫌い、また他の選手よりもウェッジ練習がとにかく多いからです」という。
グリーンまで100ヤード圏内のショットが、スコアメイクのカギを握る。それを世界メジャー2連戦で改めて感じたマークセン。新ウェッジが火を吹くのは最終日、今季3勝目に照準は絞られているに違いない。
(PGAオフィシャルライター・伝昌夫)