キング・オブ・シニアが裾野カンツリー倶楽部に帰って来た。昨年大会の最終日最終組、そして最終ホールのパー5で7メートルの劇的なイーグルパットを決めたのが室田淳。大会2連覇と同大会4勝の記録を打ち立てた。
今季は7月に行なわれたシニアツアー第4戦、KYORAKU CUPですでに1勝を飾り、賞金ランク3位でファンケルクラシックに出場する。「レギュラーツアー当時のパットのフィーリングが蘇った気がした」(室田)。その感覚を実践で試し、64のベストスコアをマークして優勝したのがKYORAKU CUPだった。「パットの調子には波があるから」と照れ隠しの言葉を口にしていたが、その好調さを維持して裾野CC入りをした。大会前日のプロアマ大会でも「再現」。最終ホールで5メートルのパットを一発でねじ込んで見せて同組のアマチュア選手を喜ばせた。
「パット上手でしょ? 相変わらず調子はいいよ」と室田は弾けそうな笑顔で答えた。
大会3連覇、同大会5勝目達成の期待が高まる。記録更新について尋ねた。
「とにかく頑張る! ファンケルシニアに対しての思い入れは強いからね。かつてシニアツアーの試合数が少なくなった際、一生懸命に支えてくれて、盛り上げてくれた大会ということをシニアの選手たちは誰もが知っている。その恩に報いるためにも『優勝したい』と選手は皆そう思っているんだよ。たとえ勝てなくても、せめて活躍はしたいってね。そんな大会で4回勝てただけでも嬉しいし、だからこそ、もう1勝したいって気持ちは強まるよね」
室田がシニア入りしてからファンケルクラシックで毎年タッグを組んでいるのは豪州出身のプロキャディー、ピーター・ブルース氏。これまで12戦4勝。「去年と使用クラブはまったく変わっていませんよ」とウインクしてみせた。ブルース氏自身はこれまで通算11勝を数える。「あと1勝を重ねられれば嬉しいね、その可能性は…フフフ」と白い歯をチラリと見せた。この道18年。キング・オブ・シニアの好調さを最も身近で感じている。