「昨年大会の最終18番ホールでのイーグル(奪取)パットはゴルフ人生で最大の劇的パットでした」--。
ファンケルクラシック2017記者発表会に出席した昨年大会覇者の室田淳は、その時の興奮が改めて湧き上がって来たかのように熱く語り始めた。
「まもなく僕は62歳になりますが、これまで12回出場して4度も優勝できました。コースが合っているのか、真夏に開催される大会ですが僕は高校球児だったこともあり、暑さは得意ですし、ギャラリーが多い大会なので気合が入ります。無様なプレーはできません」と大会3連覇への意気込みを話した。同発表会の前日に行われたKYOURAKU CUPで11カ月ぶりの優勝を飾り、シニアツアー通算18勝という最多優勝回数を更新した喜びを滲ませての熱弁。「パットが絶好調なので、もし今週開催なら優勝できるのですけど」と言って会場を沸かせたが、それは決して冗談はなく、3連覇も視野に入れての発言のようにも受け取れた。
「優勝宣言みたいな室田の挨拶だけれど、歴代優勝者の中に僕の名がないのは寂しい」と中嶋常幸は本音を漏らした。「シニアツアーはギャラリーとの距離感がレギュラーツアーよりもありませんが、その中でもファンケルクラシックは温かさもある試合。選手一人ひとりが協力してさらに大会を盛り上げて行きたい。そして、いつか僕も歴代優勝者に名を刻みたい」と打倒・室田への熱い思いを口にした。
開催17回目を数える大会は、歴史と伝統を兼ね備え、選手たちが「勝ちたい試合」として根を下ろしている。