杉原敏一(53)が父の教えを思い出して、首位に1打差5位発進した。1,2番連続ボギーとスタートでつまずいたが「このコースは難しいけど好きなコースなんです」というように、徐々に盛り返し、インに入って13番2・5メートル、14番パー5で2オンする連続バーディーで1アンダーに。「よく親父からは『いい時に喜びすぎて調子に乗るなよ』と言われていたんで。落ち着いていこうと思いました」という。その甲斐あって、17番では残り120ヤードを9番アイアンで40センチにつけ、2アンダーでホールアウトした。
父の故杉原輝雄プロと戦った世代が多くいるシニアツアー。いまでも「ジュニア」と呼ばれている。「杉原ジュニアがシニアって、なんかゴロがいいですよね」と本人も「ジュニア」と声をかけられても、笑顔で「はい」と返事をする。
鳴尾GCが好きなのは、何度かプレーして「距離だけ延ばして難しくするようなコースとはちょっと違いますよね。短くてもレイアウトとか、グリーンの固さとかで凝縮されているんで」という。
そんなコースで今季3戦目、優勝争いのチャンスが来た。「ここはどうなるか分からない。バラバラになる可能性もある。とにかく、落ち着いて行けたら。実家(大阪・茨木市)の方をみて拝んでおきます」と笑った。