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シニアツアー

【エリートグリップシニア/1R】田村尚之(53)が首位「グリーン上での迷いはない」

2017年08月09日

 首位スタートの田村尚之(53)は「グリーン上で今日は迷いがなかったのが大きかった」と振り返る。3番で1・5メートルのチャンスを外し、4番でボギーが先行する悪い流れだったが、6番で2・5メートルを入れて変えた。9番で2メートルを入れ、インに入って13番で4メートル、5番パー5では第2打を手前カラーまで運んで連続バーディーを奪った。

 各選手が苦しんだ難コース。クラブが創立したのは1920年、このコースができたのは1930年。手作りで作られた関西の名門コース。かつては日本のゴルフ場の主流だった高麗芝のグリーンを維持してきた。ベントグリーンのような転がりを持たせているが、やはり強い芝目がラインの読みを狂わせる。田村は「アマ時代にミッドアマやマッチプレーなどで何度かここで試合をしていますけど、その時はガサガサという感じで転がっていった。その時に比べたら、芝目はほとんど気にならなかった」という。

 球が跳ねる高麗グリーンに、持ち味の高い弾道の球も生きた。「こうしたグリーンでも球を止められる方なので。ドローが有利なコースでしょうけど、僕はドローは打たない。それでも大けがなく行けました」と振り返った。

 この日は高麗グリーンを攻略できたことが大きかった。現在、パーオン率は82・48%で2位だが、平均パット数は1・7772で27位。この数字が気になっている。「まったく流れに乗れないということ。ショットはいいが、パットで流れを止めてしまうことが多かった」と、現在賞金ランク14位に甘んじている要因を挙げた。

 優勝争いは混戦だが、首位に並んでいるのはマークセンはじめ外国人選手。どう戦う?「優勝のチャンスはあるが、優勝争いからいなくなる可能性もある。油断できないコースですから。自分で流れを止めないようにすることでしょう」と、昨年富士フイルム以来のシニア2勝目は、グリーン上にかかっている。

(オフィシャルライター・赤坂厚)