スタートホールでバーディーパットをねじ込み、トレードマークの「ハッピースマイル」が弾ける。バーディ発進した台湾の汪徳昌(ワン・トクショウ 54歳)は、前半でスコアを4つ伸ばして上位グループに加わった。
「僕はドライバーショットが一番悪い。パットは悪くないし、アイアンが調子いいんだよね」。後半に入ってバーディが先行したものの、ボギーも叩き、2バーディ・2ボギーとし、この日は6バーディ・2ボギー68、4アンダーの4位タイでフィニッシュ。「4つあるパー3ホールで計3バーディでしたよ。凄いでしょ。アイアンは切れているんです。17ホール目でのボギーは、ドライバーショットを右方向に打ち出してしまい、気に当たってしまったのがそもそもの理由です。もう一つのボギーはバンカーに打ち込み、目玉のライになってしまったから。仕方ないね。トップ5で最終日を迎えられるなんてホント気持ちいいね」。
日本シニアツアーに参戦して3年目を迎えるが、未勝利。プロ人生で21勝を飾っているが、日本ではまだ1勝も飾っていない。念願の日本初優勝かと水を向けると「僕は2位、3位で十分ね。欲張らないね」。たどたどしい日本語で答え、汪は顔のまで手を左右に何度も振ってみせた。本心ではないはずだ。アイアンの切れで逆転Vをもぎ取る。