プラヤド・マークセン(51)が、昨年大会に続いてまたしても優勝を逸した。首位と5打差の通算6アンダーで最終日をスタートしたマークセンは、前半で5バーディーを奪って優勝争いに加わった。しかし、勝負が掛かるサンデーバックナインに入ると猛追の勢いに急ブレーキが掛かった。
11番パー5ではバーディーチャンスに着けながらもファーストパットをねじ込めず、セカンドパットを入れるのが精一杯。続く12番パー3では絶好のバーディーチャンスを決められない。それ以降、ショットの精彩を欠き、フィニッシュではクラブを手放すシーンが増え出したのだった。「スイングのリズム、タイミングが乱れ、修正しきれませんでした」とマークセンは振り返った。
全米シニアオープンから戻って来ての参戦という日程は、マークセンの体力を剥ぎ取っていた。36時間におよぶ渡航時間と時差ボケで、日本に辿り着いた夜は睡眠4時間ほどで目覚めたというマークセン。それが大会期間中も続いていたという。
シニアルーキーで臨んだ昨年大会では、最終日にクラブハウスリーダーとして後続組のプレーを待った。結果は崎山武志の逆転イーグル奪取で2位に終わり、その悔しさを晴らしたい思いで、強行日程を承知で今年大会に出場したのだ。初日6位タイ、2日目7位タイの順位で迎えた最終日。猛チャージを仕掛けたら逆転優勝を果たせる順位には着けていた。
「時差ボケに対処しきれませんでした。疲れも予想以上に溜まっていたし、悔やまれるのはクラブのグリップが(磨り減って)細くなり、本来のスイングが出来なかったこと。グリップ交換のチャンスを作れなかったのは、リベンジを果たせなかったことと同様にとても残念です」とマークセン。笑顔を交えながらの返答だったが、悔しさを押し殺すための苦笑いでしかなかった。
再びマークセンは日本を離れ、全英オープンと全英シニアオープン出場のために今度は渡英する。その後、8月のマルハンカップ 太平洋クラブシニアに前年大会覇者として日本に戻る。「まずはリフレッシュのために、大好きな日本のお風呂にゆっくり浸かります」と言い残して、マークセンはクラブハウスを後にした。