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シニアツアー

【スターツシニア/FR】高速グリーンが牙を剥き、Vが奪い去られ白浜は2位に終わる

2017年06月11日

「信じられない!」。5番パー3ホール。下り2メートルのバーディーパット。ボールに触れるだけのようなソフトなタッチで打ち出したボールは、ゴロンゴロンと音を立てるように加速して行く。勢いをつけながらも、カップにボールは吸い込まれるようにして入った。白浜育男(58)は大きく息を吐き、自分自身に声を掛けるように言ったのだ。「信じられない」。

 最終日最終組でスタートした白浜は、このバーディ奪取で通算10アンダーとし、同ホールでボギーを打った川岸良兼を逆転。単独首位に立った。6、7番ホールでもバーディーパットを沈め、首位を独走し始めたように思われた。

 だが、8番ホールでバーディーチャンスを逃し、サンデーバックナインに入ってからの10、11番ホールでもバーディーパットを「入れ切れなかった」(白浜)ことで、ゲームの流れを引き込めない。首位と3打差でスタートした1組前のプラヤド・マークセンが着実にスコアを伸ばし、11番ホールでのバーディで通算11アンダーにしていた。

「あの3ホールでのバーディーチャンスは、いずれも良いラインで、あと少し…スッとパターヘッドが動いていたなら決められた。入れ切れなかったのが…」敗因だと白浜は振り返った。それまでのバーディ―奪取もパーパットも速いパットラインばかりで、しっかりボールをヒットするパットを打っていなかった。それがパターヘッドをスムーズに振る感覚を失わせたのだった。  

 マークセンとともに通算11アンダー首位で迎えた17番ホール。返しのパーパットで「インパクトが緩み」カップを外した。痛恨のボギー。1打差2位となって迎えた最終18番ホールのパー5。アゲンストの風。ティーショットをフェアウエイに運んだものの、2打目をレイアアップ。3打目をピン横3メートルに着けたが、このパットも外してしまった。

 白浜はツーオンをなぜ狙わなかったのか。「ピンまで275ヤードは僕にとって距離的に無理。後半から、とにかくパットを打ち切れなかったのが悔しい」と白浜は唇を噛みしめた。