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シニアツアー

【スターツシニア/1R】娘よりも先にまぐれでもいから優勝したいと、川岸のリップサービスと本音

2017年06月09日

 ティーショットでフェアウエイを外したのは2回。ラウンド途中で数えたほどティーショットが安定していた。「初めてですよ、コースの中で回数を数えたのは」とお道化てみせたのはシニアルーキーの川岸良兼(50)。

 最終18番パー5ホールでは好調過ぎる(?)ティーショットで「ドキドキして、飛ばしてやろうと思ったらチーピン(左曲がり)ショットが出てしまった」が、無難にパーセーブし、5バーディー・ノーボギー67でフィニッシュ。首位と1打差の2位タイ発進となった。

 前日のプロアマ大会表彰式では、場のムードもあって珍しく強気な発言をした。

「(初日・同組ラウンドの)マークセンにゴルフの厳しさを教えてやる」

 前試合で今季シニアツアー初参戦し、3日間首位の完全優勝を飾ったプラヤド・マークセンは、昨年のシニア賞金王。今年もまたマークセンの独壇場になりそうなムードが漂うことを察知しての川岸流の「リップサービス」。

「シニアツアーではギャラリーに喜んで欲しいですよね。笑ってもらえたら嬉しいじゃないですか。今日も何回か笑わせましたよ。明日も笑わせますよ、たまにね。ちゃんと真面目にプレーして1日3回ぐらい笑わせます」と言い切る川岸には、気持ちの余裕がありそうに思えてくる。

 だが、実際は異なる。「シニアツアーが毎週続くとストレス発散の場が必要ですね。今まで周りは後輩ばかりで、(シニア入りして)周りが急に上司だらけになったわけですからね」。

 クラブハウスレストランに入ろうとして、まずは諸先輩への挨拶から始まる。決して苦ではないが、これまでのレギュラー時代とは少々勝手が違う。「先輩から声を掛けて頂けるのは幸せです。温かい目で絡んでくれるので・・・」と川岸。これもまたシニアルーキーの洗礼なのかも知れない。

 国内女子ツアーで活躍している娘・川岸史果とどちらが先に優勝を飾るかにも注目が集まっている。「娘より、本当に先に優勝したい。何とかまぐれでもいいから先に優勝したい。まぐれ起きないかな~」。リップサービスと本音の吐露。その使い分けはベテランの域だけに、シニア初優勝のスピーチではどんな言葉を発するのか、楽しみでならない。