プラヤド・マークセン(タイ・51)は今年も強い。先週の全米プロシニアで11位になって、来日直後のシニアツアー今季初戦で終盤を突き放す「王者のゴルフ」を見せた。
パク・ブーウォン(韓国・51)と通算11アンダーの首位に並んでスタート。「パク選手はパッティングも素晴らしくて、ドライバーもよかった。私は前半はなかなかバーディーが来なくて気持ちは楽ではなかった」という。
パクが6番から3連続バーディーを決めるなど14アンダーに早々とスコアを伸ばした。マークセンは7番パー3でバンカーショットをミスしてボギーにするなど2打差をつけられた。前の組では8アンダーで出た米山が猛追を見せて11番で14アンダーまで伸ばしてきた。11番でバーディーを奪って1打差としたマークセンのギアが切り替わったのは13番でバーディーを奪って14アンダーで並んでからだった。自分でも「あのバーディーがよかった」と振り返るのが14番。米山が同じ14番でまさかの3パットで後退していた。パクは第2打を左にミスしてボギー。マークセンは4メートルのバーディーチャンスを逃さなかった。続く15番も取る3連続バーディーで通算16アンダーとし、一気にパク、米山を突き放した。
それでも少し不安になったのか、17番で「同じ組のパク選手以外の選手が気になって、人から聞いた。それで(優勝は)行けるかなと思った」という。最終18番パー5でパクのイーグルパットが決まらず、マークセンは手堅くパーに収め、初日からの首位を守る完全優勝で今季シニア初勝利、シニアツアー通算5勝目を挙げた。
「米国から帰って初試合で、大会の初代チャンピオンになれたのが、ダブルでうれしい」という。今季は1月の日本ゴルフツアー機構(JGTO)とアジアンツアーの共同主管大会の「SMBCシンガポールオープン」を制した。レギュラー、シニアで1勝ずつ。「シンガポールは運がよかった。今回はドライバーが飛ぶので勝てた」と話した。
昨年はシニア賞金王になって米チャンピオンズツアー最終予選の出場権を得たが、身内の不幸があって断念した。今年の目標も同じくシニア賞金王になり、チャンピオンズツアーの最終予選に挑戦し、来年から米国でプレーすることだ。レギュラーの出場権を得ているが、今季は「シニアの試合にできる限りでたい」という。今大会もレギュラーの「ツアー選手権」が同時開催されていたが「コース(宍戸ヒルズCC)が得意じゃない」ため、この大会に出場した。今後も開催コースとの相性などを見ながら、シニアとレギュラーを選んで出場していく。
「賞金王になる自信はあります」と早くも宣言。昨年は4勝。今季何勝ぐらいできそうか?「3、4勝はできると思う」。日本勢にとって、今年も「打倒マークセン」が合言葉になる。
(オフィシャルライター・赤坂厚)