「悔しいです。下手でした・・・」と、肩を落としたのが、吉成文伸(51・TP-B)。最終ラウンドは、最終組でのスタートとなった。最終組はそれぞれが我慢のゴルフを続けていた。
吉成は、前半2バーディー2ボギーのイーブンパーで折り返し、14番パー5ホールでようやくバーディーを奪って5アンダーにした。迎えた最終18番ホール。吉成はピン手前から5メートルに2オン。緊張のバーディーパットは、ボールをカップの右へ外して50センチのパーパットを残した。このパットを沈めれば、念願の優勝だった。
しかし、プレッシャーという重圧からストロークしようとする手が動かない。優勝までの50センチという距離がとても長く感じられた。不安な気持ちで挑んだパーパットのボールは、無情にもカップを通りすぎた。最後の最後でボギーとしてしまい、4アンダー首位タイでホールアウト。吉成は悔しい気持ちのまま、同じ4アンダーでフィニッシュした小林浩二とのプレーオフに突入することになった。
プレーオフ1ホール目。吉成のティーショットは小林の30ヤード先を行ったが、セカンドショットは左に飛び出し、ボールは木の根っこに止まった。スタンスが取れず、後ろ向きでボールを出したが、グリーンオーバーしセミラフへ。そこからなんとか載せたが、パーパットが3メートル残った。勝負のかかったパーパットを外し、小林に優勝を決められてしまった。
「悔しいです。あの18番のパーパットで優勝を決めたかった。だけど、手が動かなかった。・・・優勝を意識しました」と振り返る。そして「ゴルフはいろんなことが起きます。下手で悔しいですが、こういう経験は滅多に出来ないですし・・・これは自分の何か力にもなったと思います。だから、この悔しさをバネにして、もっと練習して、リベンジします」と、強く決意を語った。