「今日、初めての下りのパットラインでしたが、うまいこと入ってくれました」。最終18番パー5ホールのバーディーチャンス。距離は4メートル。ボールはカップど真ん中から沈んでくれた。4バーディー・ノーボギー68の好スコアをマークした阪東礼治、69歳。このバーディーフィニッシュでエージシュートを達成するとともに、4アンダー単独首位の座にも就いた。
「エージシュートは狙って達成できるものではありません。自分のゴルフをすることに徹しただけです」。今季からゴールドシニアにデビューし、5月に開かれた関西プロゴルフゴールドシニア選手権では13位に終わった。その反省も踏まえてショットだけでなく体も精神面の強化を図ったというが「詳しいことは企業秘密ですから、話せません」と阪東はコメントを控えた。
関西ゴールドシニア選手権から1ヵ月を経て、日本プロゴルフゴールドシニア選手権の舞台で最高のパフォーマンスを披露した。「グリーンのコンディションが素晴らしく、ラインを読み切り、ボールを乗せられたなら入ってくれる。でも、カップ下からのパットに限りですから、手前から攻めることに徹し、3つのバーディーは上りのパット。それも7、8メートルの距離です。
ノーボギーで回れたのは1、2メートルの入れごろ、外しごろの距離がすべて決まってくれたお陰です。1ラウンドめが好調だと2ラウンドめが決まって大叩きする。67をマークした翌日に83を打った経験もあるほどです(苦笑)。この歳になったのですから、もうカッカせず、ボギーを打ってもそれを受け入れ、落ち着いてプレーしたいですね。明日はパープレーを目指してプレーするのが目標です」。
阪東は日本タイトル戦の舞台でエージシュート達成し、単独首位に立ったが、「優勝」という言葉を一度も口にはしなかった。勝つことよりも自分のゴルフができるかどうかが最大の目標であり課題。それをクリアーした結果が、優勝という頂点なら自分への最高のご褒美になる。好スコア翌日の18ホール。まさに正念場であり、阪東の真価が問われる。