シニア1年目の西川哲(50)が6アンダー66で回り、8アンダーで首位に1打差2位に一気に浮上した。
「久々にいいゴルフができた。といっても、パターが入っただけなんですけど」と笑った。1番で5メートルを入れた。2番では2メートル、5番で1メートルにつけた。序盤に3バーディー。きっかけはあったのか。「全然ない。全部偶然だと思う」という。
通算5アンダーで折り返したインに入って「偶然」が4つ続く。10番で手前のカラーから7メートルを入れ、11番では左カラーから5メートル。ともにパット数は0。12番で2メートルにつけ、13番は6メートルを入れて4連続バーディー。この時点でトップに立つ。同組の金鍾徳から「韓国語で『誕生日』だねと言われた。こういうこと(4連続バーディーなどめでたいこと)を例えるんだと思う」と笑った。好きな韓国ドラマを字幕なしで見るために、家庭教師をつけて韓国語を勉強した。金とは韓国語で会話していたという。
16番でバンカーにつかまってボギーにしたが、66はシニアツアーでのベストスコア。5月2日に50歳を迎え、富邦仰德シニア盃でシニアデビュー。14試合に出場してきたが、最高はデビュー戦の25位と、うまくいかない。「ショットはずっと悪くないんですけど、チャンス(のパットを)を外して、外して、気分が悪くなって…スコアが出なかった。今日は欲しいというところで入った」と、まだ確信がないので「偶然」と表現した。
池が多く、ティーショットの落としどころがポイントになるコースに「昔使っていたヘッドのドライバーに戻した」という。380CCの小さめのヘッドで「ここ3,4試合、新しいヘッドの大きなドライバーにしていたんだけど、どこ飛ぶか分からない顔をしていて『お前、どっちにいきたいの?』ってヘッドに聞いていましたよ(笑い)。見た目、小さくて美人なのがいいんで、今回は戻してみた」というのがうまくかみ合っている。
優勝争いになった。「うれしいけど、今季の成績を考えたら大それた話は出来ないよね」と前置きし「最後の方まで優勝争いに食い込んでいたらと思う。そうしたら最後の、上手い下手だけではないところで歯を食いしばれるかな」。レギュラー時代に3勝を挙げている。優勝するには、技術を超えた部分、最後は気持ちや運、それこそ「偶然」といったことも必要になってくるのは、負けた試合も含めて何度も経験してきている。
池が絡む難易度1位(平均ストローク4.674)の最終18番に、歯を食いしばった西川の姿を見られるか。
(オフィシャルライター・赤坂)