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シニアツアー

【福岡シニアOP/FR】崎山は猛チャージするも、あと一打及ばず悔しい3位

2018年10月28日

 最終18番パー5ホール。ツーオン&イーグル奪取を期して放った2打目は、グリーン右手前のバンカーに捕まった。ピンまでは35ヤード。バンカー内に足を踏み入れる前に、1回素振りをした。ボール位置へ歩を進め、再び1回の素振りをしてバンカーショットに臨んだ。サンドウェッジのソールで砂面を叩いた乾いた音。ボールは綺麗に打ち出され、イメージ通りの弧を描き、ピン方向へ飛んで行く。「おおっ」。グリーン奥のギャラリースタンドから歓声が湧く。ボールはピンに当たり、そして弾かれると、歓声がため息に変わった。

 渾身の一打はチップイン・イーグルとはならず、崎山武志の「猛チャージ劇場」はバーディーフィニッシュで幕を下ろしたのだった。

 首位と4打差の1アンダー10位タイから発進した崎山は、1番パー5ホールでイーグル奪取スタートを切った。3番パー4ではティーショットをOBエリア方向へ打ってしまったが、ボールが木に当たり、運良くスルー・ザ・グリーン内に跳ね返って来てパーセーブが出来た。続く4番パーでバーディーチャンスに着けたが、それを外し、5番パー5ホールでは1メートルのイーグルパットを入れ損ねる。「僕に取って鬼門の7番ホールは、今日もボギー、それでも前半でスコアを2つ伸ばせました」と崎山は振り返る。

 後半に入って11、13番ホールでバーディー。14番ホールをボギー、15番ホールはバーディー、16番ホールで再びボギーと出入りの激しいゴルフを繰り広げ、通算5アンダーで最終18番ホールを迎えたのだった。そして、バーディーフィニッシュ。通算6アンダーでクラブハウスリーダーとなったが、後続組の鈴木亨が18番ホールでバーディーパットを入れて通算7アンダーに伸ばしたことを知り、崎山はロッカールームへ足を運んだのだった。

「トータル的には気持ち良くプレー出来ました。優勝争いに加わって、良いゴルフができたのは収穫です。パットラインの読みさえしっかりできれば、勝負ができる。でも、勝てないのは何かが足りないんでしょうね。OBが助かったり、短いイーグルパットを外したり…。ツキをモノにできないなんて、ね。シニアツアー残り4試合、結果を出していくだけです」。そう言い終えると、崎山は携帯電話を掛けに行くと言った。優勝に一打及ばずの単独3位。「カミさんに結果報告です。また言われるかな。『何やってんのよ』って」と苦笑いしたのだった。愛妻家が、褒めてもらえるチャンスは、崎山の言葉どおり残り4試合だ。

(PGAオフィシャルライター 伝 昌夫)