「日本で一番期待を裏切る男です」。ホールアウトした川岸良兼(51)の第一声。初優勝という大魚を、珍しいハプニングで逃した。
パクに1打差で迎えた17番。右ラフからの第2打をグリーン右バンカーを越えた縁の上、ラフに止まった。「(ボールの下に)砂があったんで、きれいに打つようにしたら…」。打った瞬間「あ、やっちゃった」と思った。ふわっと浮いたボールに、クラブが追い着いてしまい、シャフトに当たってバンカーに転がった。痛恨の二度打ち。「うまく当たったなあ…。バンカーショットのように打てばよかった」と後悔したが、1打罰を課された。バンカーから出して1パットで上がったが、ダブルボギー。パクがボギーとしたので2打差にとどまったが、残り1ホールではいかんともしがたかった。
パクに1打差でスタートし、連続バーディー発進してすぐに追いついたが、ミスもあって2つのボギーをたたいて後退。それでも後半になって16番まで4バーディーで元の1打差に詰め寄った。その矢先。石川県小松市出身で、地元の声援を受けながらも「一発で終わっちゃった」と苦笑いした。
昨年シニア入りしてから、ここまで優勝争いに絡んだのは初めて。日本シニアオープンでは「最終日5番までは優勝争いをした」というが、17番まで伸びた。次は優勝まで行けそう?「大変なショックを受けたので、吹っ切るのには大変な作業が必要だと思う」。早く立ち直りたい。