タワン・ウィラチャン(51=タイ)がコース新の11アンダー61で飛び出した。12バーディーを量産(1ボギー)した。大会は9時18分に雷雨接近により3時間10分中断、12時28分に再開、蒸し暑さが各選手を苦しめた。7アンダーで平石武則(58)が続き、6アンダーに昨年優勝の金鍾徳(57=韓国)、渡辺司(61)プラヤド・マークセン(52=タイ)、パク・ブーウォン(53=韓国)がつけている。
涼しい顔、ではなく、さすが「微笑みの国」の人、タイ語と英語の通訳を介している最中も、終始微笑んでいた。
タワン・ウィラチャン(51=タイ)が、これまでの9アンダー(14年最終日渡辺司、17年最終日金鍾徳)のコース記録を破る、11アンダー61をマークした。何がよかったのか?「すべてがよかった」と微笑んだ。
インスタート直後に雷雨接近のため中断。再開後3連続バーディーで飛び出した。15番30センチ、15番で2.5メートルを決める。16番で3パットしてこの日唯一のボギー。そこからから快進撃が続く。17番で60センチにつけてインを31で折り返した。
1番で30センチにつけ、4、5番連続バーディー。圧巻は7番から。60センチ、50センチ、80センチとピンに次々と絡めて3連続バーディーで上がり、奪ったバーディーは18ホールの3分の2の12個。「これまでは62が自己ベストで、ドイツとマレーシアのシニアの大会で出した。今回がベスト」と、また微笑む。
「今季一番の蒸し暑さ」「湿度は120%ぐらいあった」と多くの選手が冗談めかしていい、上がってくるとぐったりしているように、雷雨が去った後の日差しで各選手は汗だく。そんな天気にも「暑いのは好きです。きょうは、タイと同じような天候でよかった」と、微笑んだ。
タイ出身選手といえば、シニアではマークセン。今季すでに5勝を挙げている。ウィラチャンは今季の最終予選会をトップで通過して、日本のシニアツアーデビューをした。ここまでトップ10は3回あるが、今一つ優勝争いまで行かなかった。昨年までは欧州とアジアが主戦場。欧州シニアツアーでは2勝を挙げている。「日本の芝は欧州ともアジアとも違う。今までいいパッティングができなかった。でも、たくさん練習しました」と微笑んだ。
先輩のマークセンとは常に一緒に練習ラウンドをしている。技術的なアドバイスはないが、初めてのコースなので「このホールはここに打てばいいとか、1ホールずつ教えてくれる」と、微笑んだ。
残り2日間の戦い方は?「スコアはわからないが、(コースの攻め方は)きょうと同じプランで行きたい。もちろん、優勝したいです」。もちろん、微笑んでいた。
(オフィシャルライター・赤坂厚)