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シニアツアー

<コマツオープン・前日>妻と一緒に勝ち取った復活V ディフェンディングチャンピオン金鍾徳

2018年08月29日

 2011年にシニア入りし日本プロシニアとファンケルクラシックで優勝飾るなど好成績を収め、その年の賞金王にもなり華々しいデビューを飾った金鍾徳。2012年以降優勝には恵まれなかったが、賞金ランキングシードを落とすことなくコンスタントな成績を収めていた。しかし2015年に原因不明の胸部筋肉痛に襲われた。スイングをすることも出来なくなり1年間治療に専念することとなった。全く練習できない日々が続いていたことにより平均280ヤード飛んでいたドライバーの飛距離も病が治った後には240ヤードにまでも落ち込んでしまった。しかし「病気が治れば良いゴルフが取り戻せると思っていた」と2016年には賞金ランキング22位となり次年度のシード権を取り返し、迎えた昨年の大会では最終日3打差の2位で強敵マークセンを追う展開の中、3ホールのプレーオフの末優勝を勝ち取りシニアツアー通算3勝目を挙げ復活を遂げた。

「プレーオフに臨むときは常にバーディを取りにいくと強く思うことにしています。マークセンは飛ぶけどパッティングだけは負けないと思いプレーオフに臨みました」と迎えたプレーオフ3ホール目、金が3メートルのバーディパットを先に決め、後から打ったマークセンは同じ3メートルをはずし優勝が決まった。「レギュラーツアーでは5回プレーオフの経験がありますがその内の4回優勝をしているからね」とプレーオフの勝率の高さに裏付けられた勝利でもあった。

 また、この戦いを支えたもう一人はキャディを勤めた妻の存在。今年も担いでもらう予定と言うが、昨年の優勝が決まった時グリーン上で抱擁し優勝を分かち合った。「年に4回(沖縄の金秀シニア、箱根のノジマチャンピオンカップ、小松のコマツオープン、指宿のいわさきシニア)では担いでもらっているんです。良い温泉と美味しい食べ物があるところに来てもらっているんですよ」とおどけてみせてはいたが、二人三脚で勝ち取った復活Vは二人にとって何よりのご褒美であったに違いない。

 今年の抱負を尋ねると「シニアの選手は皆上手だからね。でもパッティングが良ければチャンスはあるかもしれないね。昨年よりもグリーンは良いし最高の状態、今日の練習ラウンドは沢山バーディが取れたから明日も同じくらい入ればいいね。優勝は20アンダーくらいかな」と大会二連覇に照準を合わせた。