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シニアツアー

〈FANCL CLASSIC FR〉マークセンが今季5勝目!プレーオフを制し、強さと自信を手に入れた最強シニア

2018年08月19日

今季シニアツアー5戦4勝のプラヤド・マークセンが、相変わらずの最強ぶりを最終日に披露した。

 アウト14組・最終組の首位グレゴリー・マイヤーと3打差の通算6アンダー4位タイで13組スタートのマークセン。フロントナインで5バーディーを奪取し、ハーフターン時点ですでに首位タイのスコアをマークした。前の組でプレーしているマークセンの猛チャージ。それをマイヤーは後ろ姿で見せつけられる。しかし、マイヤーも10番パー5でバーディーパットをねじ込み、13番ホールでもマークセン同様にバーディーを奪取する。ともに通算13アンダーとして首位の座を譲らない。

 14番パー4でマークセンがつまづく。グリーンオンを狙ったショットが松の木に当たるアクシデントで痛恨のダブルボギーとしたのだ。「マイヤーのスコアを知っていたし、まだ残りホールでバーディーが取れると言い聞かせて、自分を奮い立たせました」。その言葉通り、続く15番ホールでバーディーを奪い返してバウンスバックに成功。16、17番ホールはパーに終わったものの、18番パー5で持ち前の飛距離を生かして確実にバーディーを取ってホールアウト。通算13アンダーで後続、最終組のマイヤーを待った。 1打差2位となって18番ホールを迎えたマイヤーもバーディーパットをねじ込む。手に汗握る両者の優勝争いは、54ホールを終えても決着がつかず、勝負の行方はプレーオフに持ち込まれた。

 同1、2ホールも両者ともにバーディーで譲らない。シニアツアートーナメント日本記録更新となる入場者数2万3802人が詰めかけた同大会。最終日は8346人ものギャラリーが押し寄せ、固唾を飲んで見守る大熱戦。同3ホール目にカップ位置が切り直される。グリーン手前から12ヤード、左から9ヤード。

「全英シニアオープンから新しいドライバーに換えて飛距離が伸び、ティーショットに絶大な自信を持っています。マイヤーはパットが好調だったけれど、ドライバーでフェアウエイセンターを捕らえたなら負けることは無い!と思っていました」とマークセンは話した。

 プレーオフ1、2ホールともドライバーショットをフェアウエイに運び、グリーン近くまで2打目を運んで着実にバーディーを奪うマークセン。それに対しマイヤーは、3オンでのワンパットのバーディーパット奪取。同2ホールいずれもワンピン以上もある距離だっただけに、右手拳を握ってガッツポーズを取っていたのだ。風向きはマークセンに向いてた。

 18番ホールにはアゲンストの風が吹いていた。プレーオフ2ホール目の2打目はピンまで残り225ヤード。マークセンは4番アイアンでツーオンを狙い、ピン奥カラーに止まった。同3ホール目。マークセンはフェアウエイセンターからツーオンを狙う。ピンまで残り206ヤード。マイヤーが2打目をレイアップしたのを確認後、マークセンは再び4番アイアンを選択した。

「4番アイアンの飛距離目安は220ヤード。プレーオフ2ホール目はフルスイングで狙った。3ホール目は残り206ヤードだったから、ライン出しのローボールショットをイメージし、80%のスイングで狙ったんだ」(マークセン)。イメージ通りにボールはピン方向へ飛んだ。惜しくもツーオンは逃したが、3打目のイーグルトライをカップ横に寄せた。風向きはアゲンストでも、マークセンにとって、勝負の風向きはすべてフォローのプレーオフだった--。

 マイヤーは3打目をピン手前に乗せたものの、バーディーパットの距離は、これまでよりも長かった。長すぎた--。ボールはカップ手前で右に反れ、バーディーを逃す。マークセンがタップイン同然のウイニングパットを沈めて今季6戦5勝を達成。出場4試合連続優勝を飾り、3年連続のシニア賞金王へまた一歩大きく近づいた。

「去年(大会で)は最終日に首位に立ちながら逆転を許し、プレーオフ決着にも残れず、悔しい思いをしました。それだけに勝ちたかった。勝てて嬉しいです」。

 1992年に天野勝がマークした年間最多優勝記録7勝タイまであと2勝と迫った。シニアツアーには今後5試合(直近はコマツオープン)は出場する予定だという。

「来週はレギュラーツアーに出場します。ドライバーの飛距離が伸びているから良い成績を残したいです。まずは予選を通りたい」と謙虚なコメントを残した。

 結局、試合が終わってみればマークセン(優勝)。ドライバーの飛距離アップを手に入れた最強シニア、その黄金時代に翳りはない。 

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)