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シニアツアー

〈FANCL CLASSIC 1R〉ルーキー西川が5位タイ。心のスイッチを「仕方ない」モードに

2018年08月17日

 今年5月にシニアルーキーデビューをした西川哲が、ようやく「らしさ」を取り戻し、好発進を遂げた。

「前半で良いバーディーパットが入ってくれた。3、4メートルの距離が決まってプレーの流れも良くなった」。6バーディー・1ボギー67は2試合前の熊本・阿蘇シニアオープン最終日にマークした今季自己ベストタイ。5番ホールではティーショットを曲げ、5メートルのパーパットを外して痛恨の1ボギーを叩いた。

 レギュラーツアーからシニアツアー参戦まで長いブランクがあった。「久しぶりにツアーに戻り、連戦と緊張で『やっとやっと』のゴルフでした。優勝争いをしているわけでもないのに緊張するなんてレギュラーツアー時代には感じたこともなかったのに…。結果を気にし過ぎたゴルフを繰り返していたんですね」

 ティーショットではフェアウエイキープに固執し、アイアンショットではグリーンオンに囚われ、パットではカップインさせることを考えてばかりいた。ミスはしたくない。自分自身を縛り付けるゴルフで、本来のゴルフが出来ずにいたシニア前半戦だったのだ。

 7月の日本シニアオープンに出場し、タフなコースセッティングにも関わらず、フェアウエイキープ、パーオンにこだわって初日80の大叩き。それで気がついた。吹っ切れた。

「ショットが曲がったら曲がったで仕方ない。パットをカップオーバーさせて3パットしても仕方ない。気持ちを楽にして臨むように切り替えたのです」と西川。「~したくない」を「~でも仕方ない」。そんな思考の変換によって、持ち前の強い気持ちが蘇った。

「(ミスを恐れて)ドキドキしたことなんてレギュラーツアーの時はなかったんですからね。OBを打ったら、同じ方向へもう一度打つようなゴルフをしていた。全ティーショットがフェアウエイキープ、全アイアンショットがピンに絡むわけでもない。そう考えるようにしたら、スコアを出せるようになったのです」

 日本シニアオープンでは2日目に73をマークし、予選通過を果たし4日間戦い抜いた(結果は55位タイ)。次戦の熊本・阿蘇シニアオープンゴルフトーナメント最終日に67の今季ベストスコアをマーク。徐々に自信を着けて来たのだった。この日は6バーディー・1ボギー67。「明日もバーディーが先行なら楽に回れるかな」。緊張感を拭い去り、普段着ゴルフを取り戻した西川が、怖い存在になった。