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シニアツアー

〈FANCL CLASSIC 前日〉2人のレジェンドと帝王が、大会に新たな1ページを綴る

2018年08月16日

「昔なら、10年前の俺なら『かかって来い!』って言えるけど、今は『お願いだから忖度してくれ』だよね」。中嶋常幸は、明日の大会初日に同組で回る原辰徳氏に向けて、プロゴルファーの立ち位置からエールを送った。続けて、「一緒に回るもう一人は御殿場の帝王(芹澤信雄)だから、楽しく回りますよ」とニコリと笑ってロッカールームへ向かった。

 大会前日インタビューでの中嶋のコメント。それを受けて芹澤は「プロゴルフ界とプロ野球界のレジェンドと一緒に回る選手としてはソフトな、僕のようなタイプがちょうど良いんでしょう(笑)。ゴルフの調子が悪く、思うようなショットが打てない状況ですが、大会初日のお祭り騒ぎを盛り上げたいですね。実はこの大会が僕にとって、今季最後の試合になるので」。芹澤はゴルフ不振の真相を話し始めたのだった。

 5年前に股関節痛に見舞われ、それをかばうスイングを繰り返すうちに2年前には首痛に襲われ、そして股関節痛が今年再発したのだ。精密検査の結果、手術で人工股関節を入れなければ「歩けなくなる」という診断が下されたという。

「年間スケジュールですでに決まっていることもあり、それを調整した結果、この試合が終わった翌週の木曜日に手術することになりました。だから、明日の初日は思い出のペアリングになります、寂しいけれど。だけど、初日の目玉ペアリングですから、幸せを感じています。ベストを尽くすだけです」と芹澤は抱負を語った。

 7月下旬の第2回熊本・阿蘇シニアオープンゴルフトーナメントでシニアツアー初参戦した原氏は今回が2回目の本戦出場。「コースは整備が行き届き、状態がとても良いですね。攻めると痛い目に合うし、かといって安全運転でもいけない。僕はアマチュアゴルファーですから、オリンピック精神(参加することに意義がある)で臨み、少しでもファンの方々に喜んで頂けたら良いです。野球界出身なので観客をギャラリーとは言えないんです」と冗談を混じえて、初日への意気込みを語った。

 今日のプロアマ大会を含めて、4日間連続ラウンドは初体験だという。「同世代の大ヒーロー中嶋さんと、一つ年下の芹澤さんとのラウンドは楽しみです。スタミナが重要になって来ると思いますが、少しでも恩返しが出来るよう、本一冊分は書けるくらいの記憶を留められるよう チャレンジするだけです。バーディーを取ってグータッチができたら最高ですね」。

 明日の大会初日、二人のレジェンドと帝王が大会に新たな1ページを綴る。

(PGAオフィシャルライター 伝 昌夫)