スコアを3つ伸ばして迎えた6番パー5ホール。ツーオンを狙ったショットは惜しくもカラーに止まってしまった。ピンまで7メートル弱の距離。パターで打った3打目はカップに沈んだ。イーグル奪取。続く7番ホールでは18メートルのバーディーパットがカップに吸い込まれるようにして入った。この時点で6アンダー。久しぶりの好プレーで過去の記憶が甦る。
「第2回大会で優勝した際、最終日の前半で29をマークしたんです。(前半の)残り2ホールでもう一つスコアを伸ばしたら、その記録を更新できる!って欲が出てしまいました」と崎山武志。8番パー4ホールのティーショットでつい力が入り、ボールは木の根っこ部分に捕まってしまった。トラブルショット。パターヘッドのトゥ部分で打ち出すしか無い。だが、一発では打ち出せず、2打を要し、結局5オン1パットのダブルボギーにしてしまったのだった。
前半4アンダー「32」でターンし、後半はさらにスコアを2つ伸ばして迎えた最終18番パー4ホール。1打目でフェアウエイを捕らえ、2打目はピンまで残り180ヤード。「5番アイアンでしっかり打って届くギリギリの距離。風向きがアゲンストだったこともあって、また力んでしまいました」と崎山。グリーン左奥のバンカーに打ち込み、3オン2パットのボギーでホールアウトしたのだった。
「持病の腰痛が癒え、体調が良くなってきたことで、ゴルフの調子も上向いて来ました。アイアンショットが元の距離に戻りました。あとは微妙な距離の打ち分けが課題かな。
今日はパットが思いの外よく入ってくれました。これまではストロークを意識し過ぎて入らなかったので、インパクトを強くするイメージにして臨んだのが奏効しました」
5アンダーでホールアウトした時点では、4位タイグループだった。
「(練習ラウンド仲間の)久保(勝美)が首位。4打差ですから前の組で回ることになると思う。先に好スコアを出して(逆転優勝を決め)久保を最終グリーンで出迎えたいですね」と話していた。だが、崎山の順位は3位に上がり、最終組での直接対決となった。
久保、第3回大会覇者のプラヤド・マークセン、そして第2回大会覇者の崎山。最終組の役者は揃った。果たしてビッグスコアをマークして頂点に立つのは誰なのか。大会の歴史に新たなドラマが紡がれる。