大会前日に行われたプロアマ大会を終えると、すぐに練習グリーンへ歩を進めてパット練習を繰り返した。真夏の太陽が照りつけ、気温は優に35℃を超えている。
練習グリーンからドライビングレンジへと場所を移し、ひとカゴ分のボールを打つ姿があった。流れ落ちる汗で、ウエアはバケツの水を浴びさられたようだ。
前年大会覇者の秋葉真一は一球打っては、タオルで顔を拭い、また打っては汗を拭く。大会を明日に控えてショット、パット調整に余念がない。「先週、加瀬(秀樹)さんにチェックしてもらってショットが随分落ち着いてきました。ドライバーの左引っ掛け度合いが収まりだしたのです。アドレス向き、バックスイングと微妙な乱れが積み重なってのミスだったようです。調子は大分上向いてきましたよ」
日焼けした顔に白い歯が一段と輝いているように見えた。
「やっぱり優勝したコースって、相性がいいように感じるし、イメージも湧いてくる。去年と比べたら、今(の状態)はそれほど良くありませんが、パットが決まってくれたら(優勝)チャンスが出てくると思う。
コースはフェアウエイ幅が狭くなった感じがしますから、ティーショットでフェアウエイを捕らえないとスコアは出せそうにありません。スタート1、2番ホールがバーディーを取りやすそうなので、ここで良い流れを作りたい。勢いを着けて好位置で最終日を迎えたいです」と秋葉。モチベーションの高さが、猛暑の中、練習場へ足を運ばせたようだ。「フェアウエイを狭めたのではなく、ティフトン芝が繁殖し過ぎてファーストカット部分まで押し寄せた。その結果、左右幅で2メートルほどフェアウエイが狭まりましたね」と語るのは大会プロデュースの松井功氏。
5回目を迎えた今大会にはプロ60名、アマチュア30名が出場する。これまではアウト・インの2ウエイスタートだったが、今大会の初日はアウト1番ホールから30組がスタートするワンウエイ方式が採用されている。
「午前7時20分から最終組の午後12時10分までとなりますが、その分入念なコースメンテナンスが可能となり、コーススタッフの出勤時間を遅らせられ、以前のように朝4時過ぎにコースへ来る大変さを軽減できます。
何よりも太平洋クラブメンバーのアマチュアがアウトコースでの選手アナウンスを受けられ、大勢のギャラリーに囲まれたティーからティーオフできるワンウエイスタートならではの良さがあります。トーナメントの雰囲気を存分に感じられるはずです」(松井氏)。新たな試みを精力的に取り入れ、進化し続ける大会は、今年で5回目の夏を迎える。