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シニアツアー

<スターツシニア・FR>踏ん張った、粘った、頑張った!久保が2年連続の2位

2018年06月10日

 首位プラヤド・マークセンとは1打差2位の最終組でスタートした久保勝美は、粘りのゴルフを展開した。一時は3打差まで広げられたが、15番パー4ホールで5メートルのバーディーパットを決めて、1打差に追いついた。その差を縮めきれずに迎えた最終18番549ヤード・パー5ホール。久保は最後のチャンスに賭けた。

「大会3日間でショットもパットも今日が一番良くありませんでした。昨日とは10℃近くも気温が低く、雨も降っていたことで体が思うほど動いてもいなかったのでしょうね。どうしても手先で打つようなショットになりがちで、芯には当たらない。それでも自分のゴルフ(ノーボギー)に徹しました」と久保。

 前日とは違った天候とコースコンディション。29.9℃から18・7℃に気温は下がり、雨が降り続いた。湿ったグリーンはパットのタッチに影響を与えた。

 ティーショットをフェアウエイに運ぶことができた18番ホール。ピンまで残り260ヤード。3番ウッドでツーオンを狙ったなら届きそうな距離だったが、グリーン周りに配置されたバンカーには捕まりたくもなかった。久保は迷わずUTを選択し、3打目勝負の道を選んだ。レイアップした3打目の残り距離はピンまで116ヤード。風向きをアゲンストと読んだ。前日の初夏を思わせた気温下でのショットとは異なり、10℃も低いとなれば飛距離は当然落ちる。ピッチングウェッジでは届かない確率が高い。9番アイアンを手にした。

 首位を走るマークセンが2打目を花道に運んだのを確認してから、久保はショットに臨んだ。素振りを2度繰り返し、放ったショットはピン方向へと飛んだ。「筋っている」。ピン根元を狙ったボールは、ピン奥2メートルにキャリーし、そして奥バンカーへと転がって行った。久保は空を仰いだ。

「(雨で)フェースが濡れ、ボールはフライヤーしてしまいました。ピンをデッドに狙った一打だったのですが…。4打目のバンカーショットもカップインを狙ったのですが、カップをオーバー。これを外したら倉本(昌弘)会長と2位を分け合うことになるので、パーパットを絶対入れてやる!と思って打ちました。入ってホント良かったです」

 前試合は2位タイだったが、今回は単独2位。しかも最終ホールでボギーを叩いた前試合とは異なり、パーをセーブしての単独2位の価値は大きい。踏ん張った、粘った、頑張った。

「また2位でしたね(苦笑)。不調ショットをコース(試合)で修正する勇気がありませんでした。ドライバーショットの精度を上げないと2打目でバーディーチャンスを作れない。優勝争いをして、また課題を頂きました」。久保は潔く敗戦を受け入れた。経験を積み重ね、課題をクリアーした先に、頂点がある。ツアーは、まだ5戦が終わったばかりだ。