スターツシニアは2008年からツアーに復活して、今年で19回目の開催となる。それ以前は、1989年から1998年の10年間、TPCスターツシニアとして開催。4日間の公式戦だった。厳しく、辛い、長い戦いだからこそ、チャンピオンは功績が長く称えられる。
1997年、当時54歳の小川清二は、TPCスターツシニアでシニア初優勝を飾った。当時のことを、こう振り返る。「最終日は、とにかく苦しい一日だったよ。最終ホールまで金井清一さんとの死闘だった。今みたいに、スコアボードがあるわけじゃないから、最後まで『自分に勝つ、自分に勝つ』って信じるしかなかった。ウィニングパットは、ストレートラインを沈めたと思っていたんだけど、フックラインとタッチを合わせたパットだったよって、後から言われてね。それくらい、最後まで集中していました。初優勝の試合でしたから、思い入れも強いですし、スターツさんのゴルフ支援には、本当に感謝しています」と、しみじみと話した。
2018年、現在75歳。20年経っても、こうやって同じスターツシニアのフィールドに立つことができている。「プロゴルファーですからね、挑戦を続けます。だけどね、大会のコースはどんどん距離が長くなって、7000ヤード越えちゃってる(笑)。それでも、私は挑戦させてもらいますよ」と、元気はつらつだ。「シニアルーキーの選手とは25歳も年齢が違うからね、さすがに優勝はできない。だけどね、エージシュートは狙います。自分のご褒美のために。75ストローク以下で回ってこられたら、嬉しいよね。いろんな人にも喜んでもらえたら、プロ冥利につきます」と、今回の目標を口にした。
「実はね、今年はプロ生活、50周年記念。来年もね元気でいられるように、体大事にしなくちゃね」といい、「結婚も50周年記念なんだよ。今年はいい年にしなきゃ」と、にっこり微笑んだ。
ゴールドシニア世代の選手(68歳以上)が5名(※)参加する。まだまだ磨きがかかる、パワーあふれるシニアプロ。達人技、名人技の数々を、ゴルフファンは待ち望んでいる。
※小川清二(75)、安田春雄(75)、中山徹(72)、松井功(76)、海老原清治(69)の5名