山添昌良(50)が15番から4ホールで3バーディーを奪って浮上、通算9アンダー135で原田三夫(54)とともに首位に並び、今季2勝目を目指す。1打差2位に久保勝美(55)がつけ、2打差で寺西明(52)ら4人が続く。シニアデビュー戦の伊澤利光(50)は1つスコアを伸ばして通算5アンダーとし、優勝圏内に踏みとどまっている。
「反撃だ」。
山添がそう「宣言」したのは、10番だった。「歩いていて、暑くなってきたんで帽子を取ったら、帽子の横に書いてあったんで、久保さんに見せたんです」。縫い付けられていた契約先の宣伝コピーが「反撃だ。」。それを見せられた久保は「なにい~い」。
同じ埼玉県のプロで、山添が鳩山CCにいたころに、近くの高根CCにいたのが5歳年上の久保で「お世話になった」といい、久保のことを「アニキ」と呼ぶ。そんな間柄だったこともあってのジョークを交わした時、久保が10アンダーで首位に立ち、山添は7アンダーで追いかけていた。
「9番で取って、久保さんについていこうと思って」と振り返る。14番で落としたが、本当に「反撃」したのは15番でバーディーを奪ってから。17番で第2打残り118ヤードをピンのすぐ後ろにつけるOKバーディー、18番では第3打を右のラフから1メートル弱につけて連続バーディーで上がり、通算9アンダーで原田と並んで首位に立った。久保は18番のボギーで8アンダーに後退し「明日は『返り討ちだ』って、帽子に書いてくる」と笑わせた。
この日は強風が吹きつけて選手を苦しめた。「風が強くて、昨日とはクラブの番手が全然違った。我慢したと思います。いいスコアを出しているイメージではなかったので、上がってみたら60台だった(69)という感じのゴルフでした」と、他の選手同様、風のジャッジに苦しんだ一日だった。
開幕戦の金秀シニアを制したことが、この日の崩れないプレーにつながったという。「風の中とか、悪条件でも我慢していれば必ずチャンスが来ると、自分に言い聞かせられるようになりました」と、1勝した自信は大きい。その通りの終盤の「反撃」になった。
初優勝の時は最終日に追い上げての逆転勝利。今回は首位並走とはいえ、逃げる立場で最終日を迎える。戦い方は?「全然わからないです」。そういって、少し考えてから「金秀の時を同じ。流れは絶対に来る。良い流れ、悪い流れ、それに対していい判断をしていければ」。2勝目は手の届くところにある。
(オフィシャルライター・赤坂厚)
最終日のテレビ放映予定
BS-TBS
6月2日(土)16:00~17:24