PGAチームが2012年以来6年ぶり3回目の優勝を飾った。
最終第3組のプラヤド・マークセン(52=タイ)・米山剛(53)が、ベストボール方式、オルタネート方式とも1位となって計5ポイントを挙げ、金・山添組が2ポイント、マイヤー・久保組が3ポイントで計10ポイントとし、LPGAチームを0.5ポイント上回った。大会最優秀選手賞(MVP)にはマークセンが選ばれた。
期待通りの活躍を見せたマークセン・米山組。米山は「全部マークセン。僕はおまけみたいなもの」と笑った。マークセンは「今日はドライバーとパターがよかった。去年も一緒に組んだ米山さんとのペアはフィーリングが合うのでいいスコアにつながった」と、互いに相手を持ち上げた。
午前のベストボール方式ではLPGAチーム(申ジエ・比嘉真美子組)と大接戦。ともに5アンダーできた最終9番で、米山が手前10メートル近いバーディーパットを沈めて1位となり、2ポイントを挙げた。殊勲の米山は「あそこだけは頑張りました」と笑った。
午後のオルタネート方式では、奇数ホールではマークセンがティーショットを飛ばして米山がセカンドでつけ、偶数ホールでは米山が確実にフェアウエーをとらえ、マークセンがピンを攻めるという作戦がうまくかみ合って、8番まで5バーディーを奪った。JGTOチーム(今平周吾・石川遼組)に2打差できた最終9番では、池越えの第2打で「去年池に入れてすごくいやな顔をされたので(笑い)今回入れたら殺されると思った」という米山が、確実のグリーンに乗せ、勝利をものにした。
大会はティーグラウンドで距離の「ハンディ」をつけており、PGAチームの中でも、JGTOチームの選手たちとそん色ないマークセンの飛距離が大きな武器。マークセンが来年はレギュラーツアー、シニアツアーの両方に出場すると聞いた石川は「マークセン選手はJGTOで出るんじゃないかって噂になっていました。マークセン選手が僕より40ヤードぐらい前で(セカンドを)打つのは新鮮でした」と笑わせた。3連覇を狙ったJGTOチームにプレッシャーを与えたようだ。
MVPにも輝いたマークセンは「距離のハンディをもらって打つのはこの大会だけなのでおもしろい」といい、ハンディがなくてもいいのではという問いかけに「PGAの人からは、ハンディがあるから戦えるといわれているので」と、最大限に活用した格好だ。
6年ぶりの優勝に倉本昌弘PGA会長も「今回は我々が幹事でティーの位置もピンの位置も決められるので、有利なように決めさせていただきました」とジョークで切り出し「(石川)遼のパーパットが外れたらLPGAと優勝タイになっていたし、最終ホールまで僅差の勝負になった。最後の最後、遼のパットで決まったという意味では3団体でいい試合をしたと思う」と、総括した。
(オフィシャルライター・赤坂厚)