大会3連覇を狙う伊藤正己(62・TP-A)が、5バーディー2ボギーの69で回り、3アンダー2位と好スタートを切った。
スタートの10番パー4からショットが冴え、10センチのバーディーパットを沈めると、12番、16番でもバーディーを重ねた。しかし18番パー4では、下りの長いパットを残してしまい、3パットボギー。「アイアンの番手を間違えたんですよね」と思い出して苦笑い。後半2番パー4はバーディーとしたが、6番パー3では、難しい上の段につけてしまい、3パットで2つ目のボギー。続く7番ホールをバーディーで取り返し、3アンダー2位タイと、大会歴代チャンピオンの実力を発揮したのだった。
「今日はスタートから調子よかったね。ほっとしたよ」と、伊藤。「最近まで不調だったけど、ようやく思うようなショットが打ててきた。シニア予選会前、今年の集大成の試合ですから、今日のいいイメージで、最終ラウンドもしっかりとやるだけです」。ティーチングプログランド3連覇が達成できれば史上初。今できる準備をすべて整えて挑むだけとなった。
昨年のティーチングプロシニア選手権で優勝し、今年の日本プロシニア選手権に出場を果たしているのが、小林浩二(59・TP-A)。12月に誕生日を迎える小林は、今大会最年少(59歳)での出場選手だ。今月上旬に開催されたティーチングプロシニア選手権では、ディフェンディングチャンピオンとして、大会連覇を狙っていた。しかし、勝ちたいという気持ちが強く、メンタルと技術のバランスが崩れて、スコアを作れずに、悔しさだけが残る試合となってしまった。
「ゴルフの調子がよかっただけに、攻めモードになっていて、気持ちとのコントロールが上手くいかなくなったんですよ。ゴルフはつくづく気持ちのバランスが必要だということを気づかされました」と、振り返る。首位スタートの西川とは、ティーチングシニア選手権では同組だった。「そのときに、西川プロが、ぜひグランドシニアで練習ラウンドを一緒にやりましょうと声をかけてくれたんです。西川プロは昔から存じ上げていますが、プレーのタイミングとか、雰囲気も含めて似ているし、先輩のゲームは刺激を受けます。だから今回は攻めモードではなく、平静になれたのかもしれません」とほっと胸をなでおろした。
小林が所属する能勢CCは、新宝塚CCから約30分の距離にあり、普段もラウンドで利用することも。コースは熟知していることは、アドバンテージになる。ティーチングプロシニアに続き、グランドシニアという2つ目のタイトル獲得のチャンスが巡ってきた。