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<新人戦房総カントリー杯・FR>高校3年生・上村がプレーオフを制しプロ初優勝

2018年12月21日

 今年のPGA資格認定プロテスト合格者による「

第20回 日本プロゴルフ新人選手権大会 房総カントリーカップ

」の最終ラウンドが、21日行われた。4アンダー2位発進の上村竜太(南九州CC)と、この日のベストスコア67をマークした植竹勇太(ザ・ノースカントリーGC・23)が6アンダーで並びプレーオフへ。2ホール目、上村バーディー、植竹パーで、上村が新人戦優勝を飾った。上村には優勝賞金100万円と、来年いぶすきゴルフクラブで行われる日本プロ出場権が与えられた。

 「今年は初めてのプロテスト、初めてのQTで結果を出すことができました。だから、今年最後の新人戦は、自分の集大成として、優勝を飾りたい」と、初日に宣言していた上村竜太(かみむら・りゅうた)が、有言実行で優勝した。今回は、300ヤードを越えるドライバー飛距離が、アドバンテージになったようだ。初日はどーんとまっすぐ飛んでいたドライバーが、最終ラウンドでは、思うようなショットにならなかったという。「右左に曲がって、ラフに入ってしまって。それでもなんとかグリーンキャッチできた我慢の最終ラウンドだったんです」と振り返る。1番スタートホールでは、気負い過ぎたのか、ティーショットはフェアウェイ右のラフに入ってしまい、セカンドはグリーンオーバー。返しのアプローチはカップを大きく外れ、2パットでボギー発進。しかし、3番パー5ではバーディーパットを沈め「昨日と同じマネジメントでやるだけ」と気を引き締めた。5番パー4では3パットボギーでも、続く6番パー5では2つ目のバーディー。8番ホール、前日は「課題」と話していたパー3ではショットが冴えてバーディーを奪うと、9番では1メートルにつけて連続バーディー。この時点では6アンダーで首位に立った。

 後半は、最終組の同伴競技者もスコアが伸びず、我慢のプレーが続く。11番でボギー。13番を終了すると、競技委員から、前組の植竹が6アンダーで逆転されたことを知った。「絶対に譲れない」と気持ちを引き締めると14番パー3で1メートルにつけてバーディー。その後はなかなか流れに乗れずなかった。17番はボギーとし、5アンダーに後退。迎えた最終18番パー5では、快心のドライバーショットを放った。2オンを狙ったセカンドはグリーン奥まで転がったが、グリーン奥から1メートルに寄せて、バーディーフィニッシュ。6アンダーでホールアウト。前組の植竹が猛チャージしていて、同じく6アンダーで並び、プレーオフへ突入したのだった。

 「プレーオフですか?特に緊張しませんでした。試合っぽくて、楽しいって思っていました。植竹さんに追いついた勢いもありますが、気負わずやるだけでしたし、イメージができていました」と、上村は最後まで強い精神力を見せつけた。プレーオフ1ホール目を分け、2ホール目では、偶然なのか最終ラウンドと同じプレーの軌跡をたどり、バーディーフィニッシュで、見事なプロ初優勝を飾ることができた。

 上村は神村学園高等学校3年生。学校にはゴルフ部が無いため、個人で地元のジュニア大会に参加している。全国高等学校ゴルフ選手権4位という戦歴しかなかったが、初参加のプロテストに合格し、今年のJGTツアー最終クオリファイトーナメントに初出場で20位という成績を残した。そして、新人戦のタイトルを獲得するまでに成長した。

 「ゴルフを始めて13年間、ずっとゴルフが楽しいんです。だけど、小さい頃から腰が悪いので、マッサージと針治療を続けています。最近はトレーニングも初めて、体幹を鍛えるようにしてます。来年はトーナメントに出場できますし、もっと体を鍛えないといけませんね」。

 上村は念願の日本プロ出場資格も手に入れた。「好きなことをしなさい」と、ゴルフをあまり知らない親も、そっと背中を押してくれる。だから地元開催される日本プロで優勝して、親孝行することが目標だ。それ以上に大きな夢がある。「世界の4大ツアーで優勝したい」。過去の新人戦優勝者、谷原秀人(2001年)、岩田寛(2004年)といった世界に挑戦する先輩プロの背中を追って、ビックドライブを武器にする、上村の活躍に期待したい。